ノートパソコンの処分方法は特殊!? 知らないと困るパソコン処分法!

ノートパソコンは著しく進歩しています。昔のものに比べれば格段に薄く軽くなり、画面の解像度や処理能力などの性能も飛躍的に向上しました。それだけに、購入してから数年たつと買い替えを検討する方が増えてきます。しかし、実はパソコンはほかの家電製品と違い、処分の仕方が特殊です。ですから、正しい処分方法を知っておかないとトラブルになったり二度手間になったりしてしまうことでしょう。

そこで、今回はノートパソコンの正しい処分方法をご紹介します。

  1. ノートパソコンは自治体のゴミで出せない!?
  2. ノートパソコンを廃棄する前にすべき準備とは?
  3. ノートパソコンの主な処分方法について
  4. ノートパソコンは買取に出せるの?
  5. ノートパソコンの処分に関するQ&A

この記事を読むことでノートパソコンの処分方法について知ることができます。トラブルを避けるためにも、しっかりと正しい処分方法を学んでおきましょう。

1.ノートパソコンは自治体のゴミで出せない!?

まずはノートパソコンを処分する上で知っておくべき情報をご紹介します。知らずに処分するとトラブルにもなりかねないので、しっかりと押さえておきましょう。

1-1.パソコンはゴミとして捨てられない

ノートパソコンの処分を考えたとき、粗大ゴミや不燃ゴミで捨てようと考えた方も多いと思います。しかし、実はパソコン(ノート・デスクトップ問わず)をゴミに出すことはできません。これは、2003年に改正・施行された資源有効利用促進法(PCリサイクル法)により、パソコンのリサイクルが義務付けられたためです。

1-2.PCリサイクル法の必要性について

日本は資源に乏しい国です。さまざまな資源を輸入に頼っており、中でもハイテク機器に欠かせないレアメタルはそのほとんどを輸入に頼っています。この状況で禁輸をされると日本は大きなダメージを受けてしまうのです。たとえば、2010年には尖閣諸島沖での漁船衝突事故を機に、中国が日本へのレアメタル供給を止める策に出たことがあります。日本は、レアメタルなどの原材料資源の確保が困難となり、さらに、当時80円台を推移するほどの超円高だったことも重なり、日本の製造業、特に輸出産業は大打撃を受けました。資源を輸入だけに頼ることで危機に陥らないためにも、再利用できるような仕組みが必要なのです。

1-3.PCリサイクルマークについて

PCリサイクルマークは、PCリサイクル法の施行後に販売された家庭用パソコンに貼り付けられているマークのことです。このマークがあるノートパソコンは、リサイクル費用があらかじめ販売価格に上乗せされていることを示しています。そのため、PCリサイクルマークがあるノートパソコンを処分する場合、新しく費用を負担せずに処分が可能です。

1-4.小型家電リサイクル法の対象になることも?

小型家電リサイクル法は使用済小型電子機器の再資源化を促進するために2013年に施行された法律です。これに伴い、家電量販店などでも使用済みの小型家電製品を回収するようになりました。主な対象はスマートフォンやゲーム機などですが、ノートパソコンも対象となることがあります。
なお、小型家電リサイクル法を採用するかどうかは各自治体の判断に任されており、その対象品目も各自治体の判断に委ねられているのが現状です。ですので、ノートパソコンも対象になっているかどうかは、各自治体のホームページや担当部署で確認してください。

2.ノートパソコンを廃棄する前にすべき準備とは?

次はノートパソコンを処分する前に行っておくべきことをご紹介します。

2-1.データの移行(バックアップ)

ノートパソコンの処分後にデータが必要だったと分かっても後の祭りですから、処分をする前には必ず大切なデータの移行をしておきましょう。移行方法は手動とソフトを使う方法があります。必要なデータの容量が小さい場合などは手動でも良いでしょうが、ハードディスク内のデータを丸ごと引っ越すような場合には手動だと大変です。ですので、そのような場合にはデータ移行ソフトの使用をおすすめします。有名なデータ移行ソフトにはおまかせ引越シリーズファイナルパソコン引越しシリーズなどが挙げられるでしょう。

2-2.データ消去の必要性と消去方法について

パソコンには以下のようにさまざまな個人情報が入っています。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 電話番号
  • クレジットカード情報
  • 銀行口座情報
  • 医療機関の受診記録
  • 仕事の機密情報
  • 個人的な動画や写真

データ消去をしっかりとせずにノートパソコンを処分してしまうと、これらのデータが流出してトラブルになりかねません。最近はデジタルタトゥーなどという言葉もあるように、ひとたび流出したデータは入れ墨のようにずっと残り続けます。一時の楽観が人生を台無しにするかも知れませんから、必ずデータ消去をすることが大切です。
しかし、このようにいわれると「削除なんて簡単だ」と考える方もいると思います。しかし、実はデータ消去は多くの人が思うほど簡単ではありません。たとえば、「データをゴミ箱に入れる」「ゴミ箱を空にする(完全に削除を実行する)」「フォーマットする」といった方法ではまったくデータは消去できていないのです。中でも、フォーマットでもデータが消去できないことを初めて知った人も多いのではないでしょうか。実は、これらの消去方法では復元ソフトで簡単に復元できてしまうのです。
では、データの消去はどのようにすれば良いのかというと、「無意味なデータに上書きする」ことが必要となります。しかも、安全性を考慮すると、複数回の上書きが必要です。手動で行うことは現実的ではありませんから、専用のデータ消去ソフトを利用しましょう。有名なデータ消去ソフトには完全抹消シリーズターミネーターシリーズなどがあります。なお、パソコンを処分する際、処分業者に依頼すればデータ消去を代行してもらえるので、このサービスを利用するのも良いでしょう。

3.ノートパソコンの主な処分方法について

この項目ではノートパソコンの具体的な処分方法をご紹介します。

3-1.メーカーに回収してもらう

パソコンはメーカーに回収の義務があるので、メーカーに回収依頼すれば引き取ってもらえます。なお、PCリサイクルマークがあるノートパソコンであれば新たに費用はかかりません。PCリサイクルマークがない場合は、リサイクル料金を支払う必要があります。リサイクル料金はメーカーなどによって変わりますが、一般的には3,000円程度でしょう。

3-2.家電量販店で引き取ってもらう

前述したように、小型家電リサイクル法にのっとって一部の家電量販店ではノートパソコンの回収を引き受けていることがあります。なお、回収をしていない量販店でも、買い替えであれば引き取ってもらうことが可能です。

3-3.パソコン3R推進協会に引き取ってもらう

パソコン3R推進協会は、主に倒産してしまったメーカーの製品や自作パソコンなど、回収先のないパソコンの回収を行っている協会です。どこに回収してもらえばいいのか分からないときなどに利用しましょう。

3-4.不用品回収業者に引き取ってもらう

パソコンダストでも無料回収が可能です。不用品回収業者の強みはPCリサイクルマークの有無にかかわらず、どのメーカーのパソコンでも回収できます。そのため、特に便利なのは複数の違うメーカーのパソコン機器を一度に処分する場合です。たとえば、東芝とHPのパソコンを同時に処分しようとすると、それぞれのメーカーに1台ずつ依頼をしなければいけません。しかし、不用品回収業者なら一度に2台を回収依頼できます。また、本体と一緒に、サブモニター・マウス・プリンターなどの周辺機器を一括処分できるのもメリットです。

4.ノートパソコンは買取に出せるの?

この項目ではノートパソコンの中古需要についてご紹介します。

4-1.ノートパソコンの中古需要は高い

パソコンは家電製品の中でも高価な部類に入ります。高性能ノートパソコンなら20万~30万円するのも普通のことです。それだけに、安く購入ができる中古品には高い需要があるでしょう。ただし、パソコンは進歩が非常に急激で、たった数年で大幅な性能差ができてしまいます。そのため、あまりに古すぎるものは値段が付かないことがあるので注意しましょう。古くても10年程度が限界でしょう。5年前後なら買い手が付く可能性が高くなります。ただし、元値が高くなければ、当然売値も高くならないことを心得ておいてくださいね。

4-2.主な3つの売却先

主な売却先は以下の3つです。

  • ネットオークションやフリマサイト
  • リサイクルショップ
  • 不用品回収業者

実は、不用品回収業者の中には中古買取も行っていることがあります。不用品回収業者を利用する際には買取可能か尋ねてみましょう。

4-3.売却時の注意点

リサイクルショップや不用品回収業者がデータ消去を行っているかを確認しておきましょう。データ消去を行っていない場合は自分で消去しておく必要があります。なお、当然ながらオークションやフリーマーケットで売却する場合は誰も代行してくれないので、自分でデータ消去をしておきましょう。

5.ノートパソコンの処分に関するQ&A

最後に、ノートパソコンを処分する際によく寄せられる質問とその回答をご紹介します。

Q.業者のデータの消去に料金は発生するのでしょうか?
A.一般的にどの業者でもデータ消去は無料サービスです。ただし、データ消去の証明書を発行する場合は有料となることが多いでしょう。

Q.処分にはどのぐらいの費用がかかりますか?
A.PCリサイクルマークがある製品であれば、メーカーや家電量販店などに処分を依頼すれば無料です。PCリサイクルマークがない製品については、メーカーにもよりますが3,000円~5,000円程度のリサイクル料が発生するでしょう。また、不用品回収業者に回収してもらう場合は、リサイクル料に加えて数千円程度の基本料などが発生します。ただし、家電製品を専門に回収しているパソコンダストくんでは無料回収していますので、まずはご相談ください。

Q.PCリサイクルマークが貼り付けられている場所を教えてください
A.ノートパソコンの場合は底部にシールが貼られているか印字されています。

Q.悪徳業者を見分ける方法はあるのでしょうか?
A.中には詐欺まがいのことをする悪徳業者も存在するのが現状です。悪徳業者に引っかからないためにも、以下の3点に気を付けましょう。

  • 業者ホームページの作りがしっかりとしているか
  • ブログやTwitter、フェイスブックなどで積極的に情報発信しているか
  • 古物商許可を得ているか

特に、ノートパソコンの売却を検討している場合は古物商許可の有無に気を付けましょう。古物商許可は業者として中古品売買を行う際に必要となるものです。この許可なく営業している中古売買業者は違法業者なので利用してはいけません。業者ホームページの会社案内や会社概要などを確認しましょう。

Q.周辺機器の処分方法を教えてください
A.ディスプレー(モニター)もパソコン本体と同じでPCリサイクル法が適用されるので、同じように処分しましょう。それ以外の周辺機器は、自治体のルールを確認したうえで、基本的に不燃ゴミや粗大ゴミなどとして処分することになります。

まとめ

ノートパソコンはPCリサイクル法(資源有効利用促進法)により、ゴミとして処分することはできません。その代わり、メーカーに回収義務があるので、メーカーに依頼して回収してもらうのが一般的な処分方法です。そのほか、一部の家電量販店・不用品回収業者・パソコン3R推進協会などでも回収してもらえます。なお、PCリサイクルマークがあるかないかで処分費用が変わってくるので注意しましょう。今回ご紹介した情報を上手に活用して、しっかりとノートパソコンを処分してくださいね。