法人パソコンの買い替えで注意すべきことは? 処分方法についても解説
法人パソコンはどのように処分すればいいのか、正しい処分方法が分からずに悩んでいる方は多いでしょう。法人パソコンの買い替えは3〜4年が目安だといわれています。タイミングが早いと思われがちですが、顧客のデータや会社の情報を守るためには適切なタイミングです。
本記事では、法人パソコンの買い替えに適したタイミングや方法などを解説しましょう。
この記事を読むことで、法人パソコンの買い替えでやるべきことや古いパソコンの処分方法なども分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
1.法人パソコンの買い替えで注意すべきことは?
まずは、法人パソコンで注意すべきことをチェックしておきましょう。
1-1.古いパソコンは正しく処分する
事業目的で使用したものは自治体回収で処分できないので注意が必要です。パソコンは、家庭用・事業用に限らず、PCリサイクル法に基づいて処分することになります。自治体のゴミとして処分してしまうと、法律違反になるので注意しなければなりません。また、パソコンには鋼・銅・レアメタルといった貴重な資源が含まれています。それらの有用資源を再利用するためにも、パソコンを正しい方法で処分することが大切です。間違った方法で処分しないように注意してください。
1-2.初期化だけで済ませない
パソコンには貴重なデータがたくさん含まれています。特に、法人パソコンの場合は、会社の重要な情報や顧客情報など、外部に流出してはいけないデータが記録されているので取り扱いには注意が必要です。データを守るためにも、買い替えの前にデータ移行と消去をする必要がありますが、中には初期化だけで済ませてしまう会社があります。しかし、初期化は工場出荷前の状態に戻すだけですので、HDDに記録されているデータは消去できません。その点を踏まえた上で、データの移行と消去を行ってください。
2.法人パソコンの買い替えタイミング
ここでは、法人パソコンの買い替えタイミングを解説します。
2-1.導入後3~4年が目安
法人向けパソコンの買い替えは、導入後3~4年程度が理想だといわれています。そもそも、法人向けパソコンの平均寿命は約5年ですので、3~4年では買い替えのタイミングが早すぎると感じる方は多いでしょう。けれども、法人パソコンは、社員の出社時間はずっと稼働している状態です。また、HDDは回転運動をしているので、少しずつ不具合が生じやすくなるというよりも、突然動かなくなってしまう壊れ方をします。仕事において、突然パソコンが壊れてしまうと業務に支障が出ますし、データの流出・消失という最悪なケースになる恐れもあるのです。だからこそ、法人パソコンは寿命を迎えてから買い替えるのではなく、問題が起きる前に買い替えるのが理想といえます。
2-2.メーカーの保証・修理対応期間
メーカーの保証期間と製造終了後の修理対応期間を踏まえて、法人パソコンの買い替えを行うのも大切なポイントです。メーカーによって保証期間と修理対応期間は異なりますが、多くは3~5年と設定しています。期間が過ぎてしまうと、修理をしたくても必要な部品が入手できなくなってしまうので注意しなければなりません。また、パソコンを長く安定して使うためには、一定期間での交換が必要になります。使用環境などによっても異なりますが、1日8時間使用するとして、パソコンの交換時期は約5年が目安です。
2-3.買い替えのサインもチェック!
パソコンを使う時間が長くなるほど、HDDを始め各部品の故障率が上昇します。できれば、故障前に買い替えておきたいので、下記のような症状が起きている際は早めに買い替えを検討したほうがいいでしょう。
- 起動時に焼け焦げるような臭いがする
- 電源が頻繁に落ちる
- フリーズする頻度が高い
- 熱暴走が起きる
中でも、動作が重い・フリーズする・電源がよく落ちる状態は、いつ故障してもおかしくありません。フリーズするたびに作業が止まってしまうため、業務にも支障が生じてしまいます。快適に仕事をするためにも、早めにパソコンを買い替えたほうがいいでしょう。
3.法人パソコンの買い替えでやるべきこと
ここでは、法人パソコンの買い替えでやるべきことを解説します。
3-1.データを移行する
法人パソコンを買い替える前に、データを移行しておく必要があります。新しいパソコンをすぐに業務で使うためにも、最低、以下のデータは移行しておかなければなりません。
- デスクトップのデータ
- ダウンロードデータ・写真・動画データ
- ユーザーフォルダー
- メールデータ
なお、大まかなデータの移行手順は以下のようになります。
- 古いパソコンのデータを整理する
- 移行すべきデータを洗い出す
- 古いパソコンデータのバックアップを行う
- 新しいパソコンにバックアップしたデータを移行させる
会社によって、データを移行する際の方法やルールなどが決められていると思うので、しっかりと確認してから実行に移しましょう。
3-2.データのバックアップ方法
一般的に、データのバックアップは以下のような方法があります。
- USB:手軽に使える点がメリット。容量が少ないため、全データをバックアップできない場合は複数回に分けてバックアップし、データ移行をくり返す必要がある
- 外付けHDD:USBより容量が大きく、多くの企業が採用している方法。ほかの人がデータ移行するときにも活用できる
- オンラインストレージ:家庭用パソコンでよく使われる方法。機密情報が多い法人パソコンには向いていない
データ移行には時間がかかるため、余裕を持って行ってください。長くなると半日以上かかる可能性もあります。また、データ移行中に確認画面が表示されることもあるので、データ移行中は数十分に一度は順調に進んでいるかチェックしたほうがいいでしょう。
3-3.データを完全消去する
法人パソコンのデータを移行した後は、古いパソコンに記録されているデータを完全消去する必要があります。きちんとデータを消去せずに処分してしまうと、機密情報が流出してしまう恐れがあるので注意してください。実際に、法人パソコンの処分方法を誤った結果、データが流出してしまったという事例もあります。会社の信用問題に関わることですので、データを完全に消去することが大切です。なお、データの消去方法に関しては、専用ソフトを使用する論理的消去法とカナヅチなどでHDDを傷つける物理的破壊法があります。
4.法人パソコンの処分方法
ここでは、法人パソコンの処分方法について説明します。
4-1.メーカーに回収してもらう
前述したように、法人パソコンはPCリサイクル法に基づいて処分することが義務づけられています。基本的に、法人パソコンの処分はメーカーへ回収を依頼することになるでしょう。新しいパソコンを購入する際に、メーカーが引き取ってくれるかどうか確認しておくと安心です。メーカーに回収依頼をする流れは下記を参考にしてください。
- メーカーまたは委託先の担当窓口に連絡する
- 委託先から費用の見積もりをもらい、処理委託契約を結ぶ
- 委託先が指示する方法に従い、法人パソコンを送付する
メーカーまたはメーカーの委託先によっては、直接会社まで引き取りにきてくれるケースもあります。具体的な手順や回収方法・費用などに関しても、メーカーに問い合わせて確認してください。
4-2.不用品回収業者に依頼する
法人パソコンを処分する際は、不用品回収業者に依頼する方法もあります。メーカーが引き取ってくれない・すぐに処分したいというケースは、不用品回収業者に依頼したほうがいいでしょう。ただし、法人パソコンは産業廃棄物扱いになるため、不用品回収業者を選ぶ際は産業廃棄物収集運搬許可を取得している業者か確認することが大切です。許可の取得を確認できない不用品回収業者は違法業者の可能性が高いので注意してください。また、回収してもらいたい法人パソコンが多いほど費用がかかるため、見積書を確認することも重要です。
4-3.リサイクルショップ等に買い取ってもらう
まだ、正常に使える法人パソコンであれば、買取専門店やリサイクルショップに買い取ってもらう方法もあります。「法人パソコンは買取対象にならない」と思われがちですが、中古市場における需要があるので正常に稼働すれば買い取ってもらえる可能性は高めです。ただし、買い取ってもらう際は、商業・法人登記簿謄本が必要になります。また、必ずしも買い取ってもらえるわけではありません。不具合が起きたり、エラーが発生したりしているパソコンは買取不可になるケースもあります。その点を踏まえた上で、査定に出してください。また、買取に出す場合も、事前にデータを完全消去しておく必要があります。
5.法人パソコンの買い替えに関してよくある質問
法人パソコンの買い替えに関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.法人パソコンと家庭用の違いは?
A.家庭用パソコンとは違い、法人パソコンは全体的に構造がシンプルです。業務に必要なシステムがそろっていれば問題ないので、サウンド・ディスプレーなどの出力デバイスにはこだわりがありません。性能が低いからといって耐久性が低いわけではないため、その点は安心してください。また、メーカーによっては、法人向けにだけ販売しているラインアップがあります。
Q.法人パソコンの処分費用はいくらぐらいか?
A.メーカーに回収を依頼する場合、1台あたり3,000円程度の費用がかかります。廃棄証明書作成料と手数料が費用に含まれているところがほとんどです。不用品回収業者に依頼する場合は、1台あたり約4,000円の費用がかかるでしょう。具体的な処分費用が知りたい方は、複数の業者に無料見積もりを依頼してください。
Q.高価買取のポイントは?
A.法人パソコンをできるだけ高く売りたい場合は、なるべく購入時と同じ状態にすることが大切です。たとえば、汚れやホコリを取り除いてキレイにしたり、元箱や取扱説明書・保証書といった付属品をそろえたりする方法があります。状態がいいパソコンほど高く売れる傾向があるため、査定前に購入時の状態にしておきましょう。また、複数の買取業者に無料査定を依頼し比較することもポイントの1つです。
Q.無料回収業者に依頼しても大丈夫か?
A.無料回収の理由をホームページ等にきちんと記載している業者なら安心して依頼できるでしょう。たとえば、パソコンダストの場合、回収したパソコンを自社でメンテナンスし再販、再販できないものは部品として販売しているからこそ、無駄な回収コストがかかりません。近年、無料回収業者とのトラブルが相次いでいますが、悪質な業者はホームページがなかったり、スタッフの対応が悪かったりするなどの特徴があります。業者選びの際は、無料回収の理由がホームページ等に記載されているか・スタッフの対応がいいかをチェックしてください。
Q.自分でデータを消去するのが不安なときの対処法は?
A.データ消去サービスを行っている専門業者に依頼するのがおすすめです。業者によってデータの消去方法が異なるため、事前にホームページ等で確認しておきましょう。ちなみに、無料回収業者のパソコンダストでは、論理的ハードディスク消去機・物理的ハードディスク消去機・磁気データ消去装置を使ってデータを完全消去しています。複数の消去方法と専用機械を用いているからこそ、データを完全に消すことが可能です。なお、データ消去証明書も発行しています。法人パソコンの処分やデータの消去についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
法人パソコンの買い替えは、3〜4年が目安だといわれています。その理由としては、急に壊れる可能性があるからです。社員の出社時間はずっと稼働している状態ですので、突然不具合が起きたり故障したりする恐れがあるでしょう。また、会社の大切なデータを守るためのOSのサポート期間が終了する可能性もあります。セキュリティーが甘いパソコンを使っていると、データが流出するリスクが高まるので注意が必要です。また、法人パソコンはPCリサイクル法によって処分方法が決まっています。基本的に、メーカーによる回収とリサイクルが義務づけられているため、正しい方法で処分することが大切です。