パソコンのバッテリーはどう廃棄する? 上手な処分方法をご紹介します!
ノートパソコンのバッテリーを交換したので「古いバッテリーを廃棄したいけれど何ゴミに出せばいいの?」と、お悩みの人は少なくありません。また、パソコンの買い替えをしたので「古いパソコンの予備バッテリーを処分したい」ということもよくありますよね。不用なバッテリーは「燃えないゴミに出せばいいんでしょ?」という人もいると思いますが実はNGなのです。どうすればいいのかよくわからないまま、引き出しの中にいくつかためているという人もいるでしょう。そこで、バッテリーの上手な廃棄方法をご紹介します。
この記事を読んでいただければ、パソコンのバッテリーをどうやって処分すればいいのかがおわかりいただけます。お悩みの人は、ぜひ参考にしてくださいね。
1.パソコンバッテリーの廃棄について
パソコンのバッテリーを廃棄するにあたり、バッテリーにかんする基礎知識を学びましょう。処分するときに役に立ちます。
1-1.バッテリーとは
バッテリー(battery)という言葉にはいくつか意味がありますが、一般的には「電池」のことを指します。そして、電池には「1次電池」と「2次電池」があるのです。両者の違いを知っておきましょう。
1-1-1.1次電池とは
1次電池とは、内包している化学物質を消費することでエネルギーを生む電池のことです。消費し終わるとエネルギーは作れなくなるので「使い捨て」になります。1次電池には、アルカリ乾電池・アルカリボタン電池・マンガン乾電池などがあるのです。日常では、時計や腕時計・かい中電灯・電卓・電子辞書・リモコン・オモチャほかさまざまな製品が使用しています。
1-1-2.2次電池とは
2次電池とは、内包している化学物質を別の化学物質に変えエネルギーを生む電池のことです。変化が終了するとエネルギーも作れなくなりますが別の電源から電流を通し「充電」ができます。そのため、1次電池のように「使い捨て」にはなりません。
2次電池は以下の種類があります。
- 鉛蓄(なまりちく)電池
- ニッケルカドミウム蓄電池
- ニッケルカドミウム(ニカド)電池
- ニッケル水素電池
- リチウムイオン電池
- リチウムイオンポリマー電池
- ナトリウム硫黄電池
- レドックスフロー電池
自動車や航空機などのほか、ノートパソコンやデジタルカメラ、スマートフォンなどさまざまな機器が使用しています。
1-2.バッテリーの資源の再利用
バッテリーは、たくさんの貴重な金属を含んでいます。そのために、不用になったバッテリーはそのまま廃棄せずに、回収して貴重な金属を取り出しリサイクルすることが決まりました。それが、2001年にスタートした「資源有効利用促進法」(正式名「資源の有効な利用の促進に関する法律」)です。この法律にかんしては後の項で詳しくご紹介しましょう。
1-3.パソコンのバッテリーはどこに付いているか
一般的に、ノートパソコンのバッテリーは本体の裏に装着部分があります。スライドして取り出す・格納スペースのフタを開けて取り出す・レバーロックを解除し取り出すなどバッテリーの外し方は異なるのです。もし、わからない場合は無理にいじらないでノートパソコンの取り扱い説明書を見るか、メーカーに問い合わせをしてください。
1-4.バッテリーの寿命について
バッテリーは、「電気を使う→充電する」をくり返すことによって徐々に劣化します。たとえば、ノートパソコンが新品のころはフル充電(100%)すれば6〜7時間は使えていたとしましょう。ところが、年月の経過とともに使用できる時間が短くなってきた……そんなときは、バッテリーの寿命が近づいてきたサインです。
パソコンの機種やメーカーによっても異なりますが、基本的には充電できる回数は500回ほどといわれています。500回を超えるとバッテリーの容量は半分ほどになるのでノートパソコンを使用できる時間も短くなるのです。
また、バッテリーの種類は「リチウムイオン電池」と「ニッケル水素電池」があり、最近のノートパソコンはほとんどがリチウムイオン電池を使用しています。その場合、「電池の残量がゼロになるまで使用してから100%充電」をくり返すと劣化を早め寿命が短くなるのです。電池の残量が20〜30%あるうちに充電をして、100%になる前の80〜90%程度でコンセントを抜くほうがバッテリーの寿命は長持ちします。
2.パソコンバッテリーの廃棄方法
不用になったパソコンのバッテリーは、どのような廃棄方法があるのでしょうか。
2-1.販売店に持って行く
パソコンのバッテリーは、家電量販店や電気店などで回収してもらえます。どうして販売店で回収してくれるのかなど順を追って説明しましょう。
2-1-1.資源有効利用促進法について
「1-2.バッテリーの資源の再利用」で触れたように、2001年から「資源有効利用促進法」がスタートしました。この法律により、「小型2次電池」(バッテリー)の回収・再資源化が始まったのです。
リサイクルの対象になるのは、ニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池・小型制御弁式鉛蓄(なまりちく)電池で、それぞれ以下のような「リサイクルマーク」が付いています。
- ニカド電池:黄緑色地に、黒でリサイクルマーク+「Ni-Cd」のロゴ
- ニッケル水素電池:オレンジ地に、黒でリサイクルマーク+「Ni-MH」のロゴ
- リチウムイオン電池:ブルー地に、黒でリサイクルマーク+「Li-ion」のロゴ
- 鉛蓄電池:グレー地に、黒でリサイクルマーク+「Pb」のロゴ
上記の2次電池は、それぞれ有用な金属がたくさん含まれているので廃棄する前に取り出して資源として再利用するのです。
2-1-2.一般社団法人JBRC協力店
「小型2次電池」(バッテリー)の回収は、一般社団法人JBRCが行っています。JBRCは、バッテリーのメーカー・バッテリーを使用する機器メーカー・輸入事業者などが集まって作った団体です。そして、全国にあるリサイクル協力店やリサイクル協力自治体などが使用済みバッテリーを消費者から回収し、さらにそれらをJBRCが回収します。
リサイクル協力店は、全国の街の電気店・家電量販店・スーパーマーケット・ホームセンターなどがあるのです。最寄りのリサイクル協力店は、JBRCのホームページで検索することができます。
2-1-3.充電式電池リサイクルBOXについて
リサイクル協力店では、「小型充電式電池リサイクルボックス」と書いてある、「長方形の黄色い箱」を設置しています。その中にノートパソコンなどの機器から外したバッテリーを入れるのです。リサイクルBOXに入れていい小型2次電池の種類は、設置場所によって異なることもあります。「2-1-1.資源有効利用促進法について」でご紹介した「リサイクルマーク」が表示してあるので確認してください。
2-2.メーカーの回収について
「資源有効利用促進法」により、不用になったパソコンは、パソコンメーカーによる回収・リサイクルが義務付けられています。そこで、ノートパソコンを処分するときはバッテリーを付けたままで回収してもらえるのです。
2-3.自治体による回収は?
JBRCのホームページによると、全国の「リサイクル協力自治体」は約200拠点あるとしています。自分が住んでいる自治体がどうなっているのかは、JBRCか役所にお問い合わせください。
2-4.注意点
パソコンのバッテリーを、充電式電池リサイクルBOXに廃棄するときには注意が必要です。そのままでは、ショートする恐れがあります。プラス・マイナス極の金属端子部分に、ビニールテープなどを貼って、絶縁してから箱の中に入れてください。
3.パソコンバッテリーの処分〜回収業者へ依頼〜
不用になったパソコンやバッテリーは、回収業者に処分を依頼する方法もあります。業者を利用するメリット・デメリットや方法・料金などについてご紹介しましょう。
3-1.回収業者について
不用品回収業者の中には、不用になったパソコンやバッテリーなどの部品を回収する業者もいます。そのような業者は、お客さまから回収したパソコンにメンテナンスや修理をほどこし再販売するか、分解して部品や資源として再販売しているのです。パソコンや部品などをまとめて処分したいときに便利でしょう。
3-2.メリット・デメリット
回収業者を利用するメリット・デメリットをご紹介しましょう。
3-2-1.メリット
-
パソコンメーカーに問い合わせ・回収費用の支払い手続きを済ませ、自分でこん包して送る手間が不用
-
回収費用や送料無料の業者もいる(※)
- パソコンやモニター、キーボードほかまとめて不用品を引き取ってもらえる
- ハードディスク内のデータを完全抹消するサービスを行う業者なら、自分でする必要がない(※)
※回収費用や送料が無料の業者については後の項でご紹介します。
※パソコンメーカーにパソコンを送る場合は、ユーザーの責任においてデータを消去しなければなりません。
3-2-2.デメリット
-
通常は、回収費用や送料を取られる
- 信頼できる業者を選ぶ必要がある
3-3.業者選びのポイント
回収業者を選ぶときは、インターネットで検索する人も多いでしょう。しかしながら、業者はいろいろあるので何を基準に選べばいいのかわからないという人もいます。そこで、業者選びのポイントをご紹介しましょう。
- ホームページで事業所の所在地や電話番号などを明記している
- 古物商の許可番号を持っている(※)
- 回収対象品目にパソコンやパソコンの部品などがある
- 不用なバッテリーだけではなくパソコンも処分したい場合は、「データ消去サービス」を行っている業者を選ぶ
- 無料の問い合わせ相談窓口やフォームがある
- 宅配回収を全国から受け付けている
※古物商の許可番号:回収した品目を再販売するために必要な許可
パソコンダストでは、不用なパソコンや部品、周辺機器ほかの回収を行っています。宅配回収は全国対応です。
3-4.料金
パソコンやバッテリーなどの部品の回収を依頼するときに気になるのが料金です。一般的な回収業者の場合、回収料金や送料などが必要になります。また、パソコンだけではなくほかの不用品の回収も依頼する場合、回収料金がアップすることもあるでしょう。
パソコンダストは、全国どこからでも宅配回収を受け付けています。また、「無料回収対象製品」が1点でもあれば「同こん対象商品」をいくつ詰め込んでも送料は無料です。
3-5.回収方法
不用品の回収方法は業者によっても異なります。パソコンダストの回収方法をご紹介しましょう。
- 不用なパソコンやバッテリーなどをこん包してください。
- 日本郵便か佐川急便に集荷依頼をします。「送料無料対象製品」は「着払い伝票」で、「送料有料対象製品」は「元払い伝票」を使ってパソコンダストあてに送ってください。
送料無料・有料対象製品、こん包するダンボールのサイズなど、詳細はこちらをごらんください。
また、パソコンダストでは不用になったパソコンのバッテリーなど「部品だけの回収」も行っています。お客さまが負担するのは送料だけで回収費用は無料です。他社と比較してもお得に処分できます。詳細はこちらをごらんください。
3-6.回収業者についての注意点
不用品回収業者の中には、無許可の悪質な業者がいるので注意が必要です。そのような業者と利用者とのトラブルも増加しているので各自治体では注意を呼びかけています。
- 「不用品を無料で回収」とアナウンスしていたトラックを呼び止めた。パソコンや周辺機器も回収するというので渡したら六千円を請求してきた。話が違うといったら「パソコンはリサイクル代がかかるので有料だ」と威圧的にいわれたので仕方なく払った
- 「無料で何でも回収します」と回収業者が周回してきたので、ノートパソコンやテレビなどを渡した。荷物を積み込んだ後、「パソコンやテレビはリサイクル法で回収が有料になる」と1万円を請求してきた。高額なので断ったら、キャンセル料が発生するというのでそのまま払ってしまった
会社名が書いていないトラックで周回している業者の大半は、無許可の業者です。「3-3.業者選びのポイント」を参考に信頼できる業者を選んでください。
4.パソコンバッテリーの処分〜よくある質問〜
パソコンバッテリーの廃棄や処分にかんして、よくある質問をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
4-1.小型充電式電池のリサイクルについて
Q:パソコンのバッテリーのような小型充電式電池のリサイクルでどのような資源が再生できるのでしょうか?
A:小型充電式電池からは、ニッケル・カドミウム・コバルト・鉄・アルミニウムなどになる原料を得ることができます。そして、再び小型充電式電池やステンレス材料・コバルト合金材料に使うのです。
4-2.パソコンのモバイルバッテリーについて
Q:パソコンのモバイルバッテリーの処分方法も、通常のノートパソコンのバッテリーと同じでしょうか?
A:同じです。「2.パソコンバッテリーの廃棄方法」や「3.パソコンバッテリーの処分〜回収業者へ依頼〜」でご紹介した方法で処分します。
ノートパソコンとモバイルバッテリーの両方を処分したい場合は、ぜひパソコンダストをご利用ください。ノートパソコンは無料回収対象製品なので、ダンボールにモバイルバッテリーなども一緒に入れて「着払い」がご利用できます。送料も回収費用も無料なのでお得です。
4-3.資源有効利用促進法について
Q:資源有効利用促進法が誕生した背景を教えてください。
A:資源有効利用促進法は、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会から脱却し、廃棄物をリサイクルするためにスタートした法律です。また、廃棄物を有効活用してゴミを減らすことで、スペースが限界に近づきつつある廃棄物処理場の負担を軽減することも目的となっています。
4-4.パソコンや部品の回収について
Q:古いノートパソコンが2台とプリンターなどがあるので、回収業者に依頼しようと思っています。全部壊れているのですが回収は可能ですか?
A:パソコンダストでは、故障したパソコンも回収しています。メーカーも問いません。ノートパソコンは「無料回収対象製品」なので、ダンボールにプリンターなどを同こんしても送料・回収費用は無料です。詳しくはこちらをごらんください。
4-5.資源有効利用促進法の「指定表示製品」について
Q:資源有効利用促進法の「指定表示製品」とは何ですか?また、どのような製品があるのでしょうか。
A:「指定表示製品」とは、資源のリサイクル促進のための「分別回収」がしやすいように、表示(マーク)をする製品のことです。パソコンのバッテリーのような小型2次電池のほかにも以下のようなものがあります。
- 飲料や酒類のスチール製やアルミニウム製の缶
- ペットボトル飲料や特定調味料(※)、150ミリリットル以上の酒類
- 紙製容器包装
- プラスチック製容器包装や紙製容器包装
- 塩化ビニール製建築資材
※特定調味料:しょうゆ・しょうゆ加工品・みりん・食酢・調味酢・ドレッシングタイプ調味料など
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。パソコンのバッテリーの廃棄・処分方法がおわかりになったと思います。パソコンのバッテリーは、燃えないゴミで捨ててしまう人もいますが、有効な金属をたくさん含んでいる「資源」なのでそのまま廃棄してはもったいないのです。正しい方法で、きちんと廃棄処分にしてください。
また、ノートパソコンごと処分したい場合は、メーカーに問い合わせてから支払い手続きをして送る方法もあります。けれども、パソコンのほかにもバッテリーや周辺機器、生活家電ほか不用品があるなら、ぜひパソコンダストの宅配回収をご利用ください。回収費用も送料も無料になるので断然お得です。また、メーカーに回収してもらうときには、自分でハードディスク内のデータを消去しなければなりません。パソコンダストの場合は、最新のデータ消去機器を用いて完全に抹消するので安心です。ご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。