小型家電の回収前に知っておくべき、家電リサイクル法の目的と内容
小型家電の回収方法について正しく知らない人は多いでしょう。携帯電話やデジタルカメラ・電子レンジなどの小型家電は、小型家電リサイクル法の対象になります。一般的な家庭ゴミと同じように捨てるのではなく、回収してリサイクルに回すことが推奨されているのです。しかし、実際にはどのように回収しているのか、何が対象になるのかなど、把握していない人はたくさんいます。この記事では、小型家電リサイクル法について詳しくご紹介しましょう。ぜひこの機会に、小型家電リサイクル法の意味や回収方法を知ってください。
この記事を読むことで、不要になった小型家電をどのように捨てればよいのかが分かります。注意点をよく守り、正しく処分してください。
1.小型家電回収の基礎知識
まずは、小型家電リサイクル法について詳しくご紹介します。
1-1.小型家電リサイクル法について
この法律の目的やメリット・対象品目などをまとめてみました。
1-1-1.目的とメリット
小型家電リサイクル法は、平成25年に施行された法律です。その目的は、小型家電に含まれる資源を有効活用することにあります。現在、日本では1年間に約65万トンもの小型家電が廃棄されていることをご存じでしょうか。その中には多くの有用金属が含まれており、ほとんどが埋め立て処分されています。小型家電リサイクル法は、こうした資源をリサイクルして有効活用することを目的に作られた法律なのです。そして、この法律によって以下のようなメリットが生じます。
- 金や銅などの有用金属が再資源化される
- 環境負荷を低減できる
- 埋め立て処分場を延命できる
- 小型家電の粉砕や焼却処理にかかる負担を軽減できる
1-1-2.対象品目と特定対象品目について
小型家電リサイクル法の対象品目には、以下のようなものがあります。
- 携帯電話
- デジタルカメラ
- 電子辞書
- ゲーム機
- 電子レンジ
- 炊飯器
- ミシン
さらに、パソコンやディスプレイなどに関しては「特定対象品目」に該当し、「パソコンリサイクル法」に従って処分する必要があります。基本的に、メーカーが回収してリサイクルすることが義務付けられており、自治体が回収する粗大ゴミとして捨てることはできないのです。
1-1-3.マークについて
基本的に、一般家庭から排出される小型家電を自治体が回収し、認定業者がリサイクルを行います。一般の人が安心して引き渡すことができるように、相手を見分ける必要があるのです。そこで、小型家電リサイクルの認定事業者であることを示すマークと、小型家電の回収を行う市町村であることを示すマークが決められています。自治体や認定事業者は、このマークを回収ボックスや回収車両などに表示するという決まりです。
1-2.家電リサイクル法との違い
よく似た法律に「家電リサイクル法」があります。この法律はテレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機の4品目に限り、小売業者が回収して製造メーカーがリサイクルするというものです。小型家電リサイクル法とは対象品目や回収の方法などが異なります。また、家電リサイクル法では回収にかかる費用は基本的に消費者負担です。しかし、小型家電リサイクル法では自治体によって違いがあるということを覚えておきましょう。
2.小型家電の回収方法
では、小型家電はどのように回収されるのでしょうか。いくつかの方法と注意点をまとめてみました。
2-1.回収方法
小型家電の回収方法には以下のようなものがあります。
2-1-1.自治体による回収
小型家電の回収方法については、各自治体の判断によって選択されています。粗大ゴミや不燃ゴミとして回収した後、自治体が取り出してリサイクルに回している自治体もあるのです。相手が自治体であることから、利用者には安心感があるでしょう。ただし、粗大ゴミとして回収される場合は、回収料金は自己負担となります。料金については粗大ゴミ回収の申込時に確認しておいてください。
2-1-2.回収ボックスへの投かん
多くの自治体では、回収ボックスを設置して小型家電の回収を行っています。設置場所は自治体によって異なりますが、公共施設や大型スーパーなどに設置されていることが多いでしょう。この方法のメリットは、無料で処分できるという点です。ただし、回収ボックスを探す必要があること、投入口のサイズによっては入らないものもあるなどのデメリットがあります。
2-1-3.メーカーによる回収
メーカーに引き取ってもらえる場合もあります。PCリサイクルマークの表示があるパソコンは、無料でメーカー回収が可能です。マークがないものについては回収料金を支払う必要があるため、メーカーに確認しておきましょう。ただし、小型家電をメーカーに発送しなければならないという手間が発生します。
2-1-4.販売店による引き取り
不要になった小型家電を回収してくれる販売店もあります。料金はお店によって異なるため、事前に確認しておきましょう。ただし、販売店によっては引き取りを行っていないところもあります。確認しておかないと無駄手間になってしまう可能性もあるため注意してください。
2-1-5.回収業者を利用する方法
不用品回収業者に依頼する方法もあります。無料回収を行っている業者もあるため、探してみるとよいでしょう。回収業者を利用するメリットは、ほかの不用品もまとめて回収してもらえるという点です。「パソコンダスト」では、パソコンや不用品の無料回収を行っています。「持ち込み回収」「宅配回収」「出張回収」の中から、利用しやすい方法を選んでください。
2-2.注意点
パソコンや携帯電話などを処分する場合は、回収方法を考える前にデータ消去を行ってください。こういったものの中には、個人情報をはじめとする重要なデータが含まれている可能性が十分にあります。自分にとっては人に見られても問題ないデータでも、悪用する人は存在するのです。自分だけでなく家族や友人の情報も流出してしまう可能性があるため、確実にデータを消しておくことをおすすめします。
3.家電回収業者について
家電回収業者に依頼する場合に知っておくべきことをまとめてみました。
3-1.業者選びのポイント
家庭から生じた不用品を回収している業者は、全国にたくさんあります。その中には、悪質な営業をしている業者も存在するのです。家電が正しくリサイクルされるためには、きちんとした業者に依頼する必要があります。業者を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください。
- 廃棄物収集運搬業や古物商の資格を持っているか
- 実績は豊富であるか
- スタッフの対応は丁寧であるか
- 事務所の所在地や電話番号が明記されているか
3-2.回収した小型家電はどうなるのか?
パソコンや不用品の無料回収を行っている「パソコンダスト」では、回収した小型家電をリサイクル・リユースしています。メンテナンスや修理を行い、可能なものは再販売しているのです。再販売できないものについては、部品に含まれる金やレアメタルなどの資源を取り引きすることで利益を得ています。私たちにとっては使わなくなった「不要なもの」でも、回収業者にとっては貴重な資源であるということを覚えておいてください。
3-3.回収できないものとは?
業者によって回収できないものもあるため、事前に確認しておきましょう。「パソコンダスト」では、家電リサイクル法の対象4品目や大型複合機・木製や布製の家具などの回収は行っていません。
3-4.注意点
悪徳業者の中には、回収した小型家電を不法投棄するようなところもあります。特に、トラック1台で近所を回り、事務所の所在地を明らかにしていない業者だと、逃げられてしまう可能性も考えられるでしょう。そういった業者はできるだけ利用しないようにしてください。業者を選ぶ際は、実際にその業者を利用した人たちの口コミなども参考にするとよいでしょう。
4.小型家電の回収にかんするよくある質問
「小型家電の回収について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめてみました。
4-1.小型家電に含まれる「レアメタル」とは何ですか?
A.リチウムやコバルト・ニッケル・チタン・マンガンなど、世界的に流通・使用量が少ない非鉄金属のことを言います。私たちの身近にある小型家電には、レアメタルが使われているものもたくさんあるのです。
4-2.パソコンのデータ消去を回収業者に依頼することはできますか?
A.データ消去サービスを行っている回収業者もあります。「パソコンダスト」では、データ消去後の証明書発行も行っているため安心です。
4-3.「PCリサイクル法」とは何ですか?
A.2003年に施行された「改正資源有効利用促進法」のことです。家庭用パソコンの回収とリサイクルをメーカーに義務付けています。
4-4.プリンターやキーボード・マウスなどもメーカー回収してもらえますか?
A.パソコン周辺機器はメーカー回収の対象になりません。自治体によっては不燃ゴミや粗大ゴミとして捨てることができるため、確認してみてください。「パソコンダスト」では周辺機器も回収可能です。
4-5.不用品回収業者とのトラブルはどこに相談すればよいですか?
A.消費生活センターで相談を受け付けています。不用品回収業者とのトラブルは、時間がたつほど解決が難しくなるため、早めに相談してください。
まとめ
いかがでしたか? 小型家電の回収やリサイクルについて詳しくご紹介しました。私たちの周りには、たくさんの小型家電があります。しかし、不要になったときにどうやって処分してよいのか、知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。ぜひこの記事を参考にして、小型家電リサイクル法の目的や正しい家電の捨て方を知ってください。