情報が漏えいする危険性とは? 対策方法や予防方法と共に解説します。
情報漏えいとは、本来外部に漏れてはならない情報が漏れてしまうことです。最近では、企業や自治体が管理している個人情報が大量に漏えいし、たびたび問題となっています。情報漏えいが起これば、企業の信頼が大きく損なわれるだけでなく、情報漏えいが原因の犯罪が発生することもあるでしょう。ですから、情報漏えいを防ぐための対策は重要です。
そこで、今回は情報漏えいが起きる原因や対策方法をご紹介します。
この記事を読めば、情報漏えいをしないための注意点などもよく分かるでしょう。個人情報を会社で取り扱っているという方や、パソコンをよく使用している方はぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.情報漏えいとは?
情報漏えいとは、前述したように本来ならば大勢の人の目に触れてはいけない情報が漏れてしまうことです。国家機密や新製品の情報・社外秘の情報・個人情報など該当するものはたくさんあります。昔は住所や氏名などの個人情報はオープンな扱いでしたが、2004年に個人情報保護法が制定されて以来、取り扱いが厳しくなりました。現在、ニュースになる情報漏えいの多くが、企業や自治体の組織から、管理している個人情報が流出してしまった、というものです。
また、個人でも自分や家族・友人の情報を不特定多数の人々に漏らした場合は、情報漏えいといえるでしょう。
2.情報漏えいの危険性と情報漏えいが起こる原因
この項では、情報漏えいの危険性や起こる原因をご紹介しましょう。ちょっとした気のゆるみが、情報漏えいの原因となることもあります。
2-1.情報漏えいの危険性
本来なら外部に漏れてはいけない情報が漏れてしまうと、さまざまな問題が発生します。これは国家機密や企業の社外秘情報のようなものでなくても起こるのです。たとえば、住所と氏名が流出しただけで家が特定されてしまうでしょう。また、個人情報を集めた企業の業務内容と照らし合わせれば、家族構成や趣味嗜好・思想や信条まで分かってしまいます。
一例をあげると、子ども向けの通信教材を扱っている会社から個人情報が流出した場合、子どもがいる教育に熱心な家庭だということが分かってしまうでしょう。すると、その情報を知った他の教材会社や塾の勧誘が盛んになったり、子どもが犯罪者に狙われたりすることもあります。インターネット通販の会社ならば、カード番号も一緒に流出してしまうかもしれません。その結果、詐欺の被害にあったり犯罪に巻き込まれてしまうこともあるでしょう。
2-2.個人が無意識に情報漏えいをすることもある
現在はTwitterたフェイスブックなどのSNSを使い、気軽に全世界へ情報を発信できるようになりました。しかし、書き込む内容やアップする写真によっては、自分や家族の情報を全世界へ公開することになります。
特に、顔がはっきりと分かる写真をアップしたり、特定の場所にしかないものの情報を書き込むことで、住所氏名が特定されてしまうこともあるでしょう。すると、ストーカーの被害にあったり写真が悪用されたりすることもあります。
また、タレントや俳優のプライベートな姿を断りもなく写真に撮り、SNSにアップすることも情報漏えいの一種です。従業員が仕事中に芸能人が勤務地に訪れたことをSNSにアップし、問題になったこともあります。
2-3.スマートフォンやパソコンは情報の塊
パソコンやスマートフォンを不用意に廃棄したり修理に出したりしても、情報が漏えいすることもあるでしょう。外国の事例ですが、芸能人がパソコンを修理に出した際、修理会社の従業員がパソコン内に保存されていた写真を無断でインターネット上に公開し、大問題になりました。
パソコンやスマートフォンを修理に出す場合は、可能ならば写真などは別の場所に移した後、パソコン内のものは消去して出すか、信用できる業者に出しましょう。廃棄する場合は、中の情報を取り出せないようにしてから処分してください。
2-4.インターネットにつないだパソコンは危険
パソコンで個人情報を管理したり機密事項を保存しているという企業は多いことでしょう。インターネットにパソコンをつないでいると、パソコン内の情報を狙ってハッカーが攻撃をしかけてくることもあります。また、コンピュータ―ウィルスにパソコンが感染すると、気づかないうちにウィルスが情報漏えいを起こすこともあるでしょう。
パソコンから情報が流出する場合、ヒューマンエラーが原因のことも多いのです。一時期流行した不特定多数とデータをやり取りするファイル共有ソフトの操作ミスで、情報漏えいが起こったこともありました。また、会社のパソコンでアダルトサイトを閲覧してウィルスに感染したり、パソコンをもって移動中に盗難にあって情報が流出したりしたケースもあります。
2-5.情報はお金になる
情報はお金になります。企業が管理している情報を盗んで売ったり、企業から情報を盗み出して脅迫材料に使ったりした例も珍しくありません。漏えいしてはならない情報を扱う人にも注意が必要です。
3.情報漏えいを防ぐための対策
- SNSには現在地がはっきりと分かることを書かない、顔が分かる写真は載せない
- スマートフォンの位置情報はオフにする
- パソコンやスマートフォンは情報を削除して廃棄し、修理に出すときは信用のできる業者に出す
- 個人情報を管理したり機密事項が記録されたパソコンはインターネットに接続しない
- 外部に漏れると困る個人情報を取り扱う人は、厳選する
- 個人情報が入ったパソコンやUSBを社外持ち出し禁止にする
- 個人でも、アダルトサイトなど怪しいサイトを見ない、不審なアプリはダウンロードしない
- 個人情報が書かれた紙は、シュレッダーにかけて廃棄する
このようなことを守れば、情報漏えいする可能性はかなり低くなるでしょう。
4.パソコンを廃棄する際の注意点
この項では、パソコンを廃棄する際にやっておくべきことなどを紹介します。ぜひ、参考にしてください。
4-1.廃棄したパソコンの行方
現在、パソコンはPCリサイクル法によってメーカーが回収して、使える部品はリサイクルされています。また、新しいパソコンはそのまま中古品として再度市場に流通することもあるでしょう。その過程で、パソコンは大勢の人の手に触れますし、中身を見られることになります。
4-2.パソコンを廃棄する際にやっておくこと
パソコンを廃棄する際は、必ず保存してある情報を消しましょう。インターネットを閲覧していただけという方も、通信販売を利用しているならば、クレジットカード番号や住所などが記録されています。
この際、単に記録されているファイルをごみ箱に移動して消去するだけでは不十分です。パソコンについているCD-ROMを利用したり専用のプログラムをダウンロードしたりして、OSごと消去してください。この作業は長いときで数時間かかることもありますので、時間に余裕をもって行いましょう。
しかし、重要な情報が入ったパソコンですと、データを処分するだけでは不安だという方もいるでしょう。その場合は、HDDを取り出して物理的に壊してしまってください。HDDを取り出して袋に入れ、金づちなどでたたけば壊れます。壊れていてもパソコンは回収してくれますので、問題ありません。壊れてデータ消去ができないパソコンも、HDDを壊しましょう。
4-3.業者を利用する方法もある
パソコンダストのような、パソコンリユース会社を利用すれば、データ消去も行ってくれます。パソコンリユース会社は、パソコンを回収してリサイクルできる部品を抜きとって再利用したり、パソコンそのものを中古品として整備して再利用したりする会社です。ですから、無料で回収が行えます。業者では専用の機械を使ってデータを削除するので、個人で行うよりも確実です。パソコンに詳しくなく、データ消去が自分では難しいという方も利用してみましょう。
5.情報漏えいに関するよくある質問
Q.フェイスブックなどは本名で行っている方も多いですが、やはり偽名を使った方がよいのでしょうか?
A.今はどのような書き込みがきっかけで炎上事件が起こるか分かりません。フェイスブックは実名登録制ですが、個人情報が分かりそうな書き込みは行わないように注意しましょう。
Q.情報が漏えいし、インターネット上で拡散したので、それを消す費用が必要だという電話がかかってきました。どうしましょう?
A.それは、詐欺です。情報漏えいがニュースになるとこの手の詐欺が増えますので注意しましょう。
Q.故意でなくても情報を流出させた場合は、罪に問われますか?
A.刑事的な罪には問われませんが、会社独自の規則で罰せられることもあるでしょう。禁止事項を破って情報を漏えいさせた場合は、解雇される可能性もあります。
Q.一度流出した情報は回収が難しいのですか?
A.インターネット上に流出してしまえば、完全に削除することはほぼ不可能でしょう。
Q.スマートフォンの位置情報サービスとはなんですか?
A.スマートフォンのGPS機能を利用したもので、SNSと連動しているとつぶやいた場所が画面に表示されてしまいます。
6.おわりに
いかがでしたか? 今回は情報漏えいの怖さや対策方法をご紹介しました。情報漏えいは誰もが加害者にも被害者にもなる可能性があります。何気ない書き込みや写真のアップにも十分に気を配りましょう。また、会社での個人情報の扱いは十分に注意してください。一度情報漏えいがニュースなどになると、被害者を狙った詐欺事件や勧誘などが起こりやすくなります。企業のイメージもダウンするでしょう。
今は、スマートフォンに顧客情報を入れているという方も多いと思いますが、可能ならば仕事とプライベートのスマートフォンは分けましょう。一度情報漏えいが起こってしまうと取り返しのつかないことになります。