間違うとガチで危ない!パソコンデータの消去方法と処分業者の選び方
要らなくなったパソコンを処分したいとき、必ず行わなくてはいけない作業がハードディスクのデータ消去です。
「壊れたパソコンだから大丈夫」
「フォルダーを削除したから」
「フォーマットで初期化した」
上記のような理由でデータ消去は必要ないと思っていませんか?多くの方が勘違いしているのですが、壊れたパソコン・フォーマットしたパソコンでも専用のソフトを使えば残された個人情報を読み取ることができます。安易な考えで間違った処分方法を選択すると、取り返しのつかないトラブルに巻き込まれる可能性があるのです。そこでこの記事では、パソコンのデータを安心かつ確実に消去できる処分方法をご紹介します。
- パソコンのデータ消去が必要な理由
- 流出する危険がある個人情報とは?
- 知ってましたか?フォーマットするだけでは危険です
- パソコンデータを安全に消去する方法
- パソコン処分を業者に依頼するメリットとは?
- パソコン処分業者の選び方
- データ消去に関するよくある質問
この記事を読むことで、「データ流出が心配で処分できなかった」、「そもそもパソコンの捨て方がわからない」とお悩みの方も安心してパソコンを処分することができます。
1.パソコンのデータ消去が必要な理由
要らなくなったパソコンを廃棄するときに必ずやっておきたいのがハードディスクのデータ消去です。パソコンには自分が想像している以上に個人情報が詰(つ)まっています。長い間使ってきたパソコンでは、なおさらたくさんの情報が記録されていることでしょう。パソコンデータを消去しないまま、間違った処分方法で破棄してしまうと、データの流出・悪用される危険性があります。自分の情報だけではなく、友人や会社、家族の情報も危険にさらされることになるのです。勘違いしがちですが、「壊れているパソコンだからデータ消去しなくていい」と思っている人もいます。しかし、パソコンが壊れていてもハードディスクは読み込める状態にあることも多いのです。安易な気持ちで捨ててしまうと取り返しのつかないトラブルに見舞われることもあるでしょう。
要らなくなったパソコンをオークションなどで売却したいときにもデータ消去は必要です。
2.流出する危険がある個人情報とは?
個人情報の取り扱いが厳しくなった近年では、パソコンのデータを消去して処分する意識も高まってきました。しかし、パソコンの情報は、自分で作ったフォルダーやマイドキュメント・Word文書・写真などを消去すればいいと思っていませんか?
データ消去したつもりでも、以下のように多くの情報がパソコン内に残っている可能性があります。
- メールソフトの設定情報や署名・アドレス
自分や家族・友達・会社の氏名・住所・連絡先など - はがき作成ソフト(年賀状など)の住所録
自分の個人情報・友人知人、会社などの情報 - ブラウザーの情報(Cookieに残った情報)
インターネットのアクセス履歴
利用したサービスのIDやパスワード
ショッピング履歴
クレジットカード情報
SNSの情報) - 家計簿・会計ソフトのデータ
資産や家計の情報、会社や事業の内部情報 - 壁紙やクラウドの中
自分や家族、友人との写真や保存した画像など
データを消去したと安心していても、ハードディスク内には上記のような個人情報が残っているのです。
2-1.情報流出が招くトラブルとは?
パソコンに残ったデータが流出するとどのようなトラブルが起こるのでしょうか?
- メールアドレス・個人情報の流出で友人や会社に迷惑がかかる
- 会社の機密情報が流出し、責任を追わなくてはならなくなる(業務委託契約違反・秘密保持法は注意!)
- 保存していた写真がネット上に流出
- クレジットカード情報が洩(も)れ悪用される
- ネット銀行のIDやパスワードが流出
- 個人的なメールのやり取りなどが見られる
- ブログ・SNSのパスワードがばれ、悪用される
もし、個人情報が流出してしまったら・・と考えただけでもぞっとしませんか?パソコンのデータは、一度流出すると止めることはできないのです。後悔しないためにもデータ消去は確実に行わなくてはなりません。
3.知っていましたか?フォーマットするだけでは危険です。
パソコンのデータ消去と言えば、以下の3つの方法を思いつく方が多いのではないでしょうか?
- ファイルをゴミ箱に捨てる(その後ゴミ箱を空にする)
- フォーマットする
- リカバリディスクで初期化
これらの作業を行い安心している方も多いでしょう。しかし、ディスクをフォーマットして初期化しただけでは、単に管理情報が変更されただけです。パソコンのデータ消去の方法としてフォーマットするだけでは十分ではありません。ファイルの削除やフォーマットは、データが見えなくなっているだけでハードディスクの中にはしっかりと残っているのです。ハードディスク内の情報は、特殊なソフトを使えばすぐに復元することができます。ですから、警察などの捜査では、データ消去されたパソコンなどを押収してデータ修復し捜査に役立てることができるのでしょう。
4.パソコンデータを安全に消去する方法
情報流出を防ぐために、パソコンのデータ消去がどれだけ重要な作業かをご理解いただけたかと思います。この項では、実際にパソコンのハードディスク内に残るデータを消去する方法をご紹介しましょう。
4-1.専用ソフトを使ってデータ消去する方法
パソコンのデータは、市販の専用ソフトを使うことで完全に消去することができます。フォーマットしても削除しても消せなかった情報を専用ソフトはどうやって消去しているのでしょうか。
専用ソフトがデータを消去できる理由は、「消去」するというより、「別のデータに上書き」しデータを別の情報に書き換えているのです。専用ソフトを使うとデータは2度と復元できませんので注意してください。
4-2.パソコンのデータ消去ができる専用ソフト
パソコンデータを消去できるソフトは、現在2社のソフトメーカーが発売しています。
- AOSテクノロジーズ「ターミネーターシリーズ」
- ジャングルの完全抹消シリーズ
両社ともハードディスクを指定し、データをまるごと消去します。CD-ROMを起動し、インストールなしに消去できるためパソコンが苦手な方にも操作しやすいでしょう。CD-ROMのないノートパソコンは、専用USBを作成し起動する方法をとります。ハードディスクを一気に消去するため、特定のファイルを指定して消去したい場合は向いていません。USBやCD-ROMを使うため、故障したパソコンでもデータ消去が可能です。指定したファイルだけ消去したい場合は、
- リスクマネージャー ファイル消去&チェック10Plus
- 完全ファイル抹消15
上記のソフトがオススメです。パソコンを使用しながら特定のファイルだけ消去できます。
4-3.無料のソフトでデータを消去する
データ消去ソフトには、無料のソフトもあります。有料ソフトとの違いは、消去する際にかかる時間と手間などです。無料だからと言って消去できないわけではありませんので安心してください。
無料ソフトをいくつかご紹介しましょう
DESTROY
世界最高基準に準拠した消去ができるソフトです。ハードディスクのデータを完全に抹消できます。MS-DOS用です。
http://www.vector.co.jp/soft/dos/util/se196626.html
File Shredder
データ消去ソフトとして非常に評価の高いフリーソフトです。以下リンクからダウンロードとインストールができます。海外サイトのため初心者さんには少しハードルが高いです。
http://www.kakasoft.com/file-shredder/
CCleaner
パソコンに溜(た)まったごみを掃除、キャッシュの一括削除ができるソフトです。ドライブのデータを完全抹消できます。
http://www.piriform.com/
Wipe-out
パソコンのハードディスクだけではなく、外付けハードディスク(HDD)などのデータ消去もできます。国産ソフトです。パソコンにより起動方法が異なります。起動方法はCD-ROM、USB、フロッピー、ネットワークブートです。
http://www.wheel.gr.jp/~dai/software/wipe-out/
4-4.物理的破壊でデータ消去する
少し荒っぽい方法ですが、ハードディスクを物理的に破壊しデータ消去することも可能です。パソコンから取り出したハードディスクを、ハンマーやドリルで破壊します。破壊すれば、確実にデータを読み取られることはありません。当然ですが、パソコン本体も使えなくなるため、オークションやリサイクルショップに買い取ってもらう予定がある場合は不向きです。
5.パソコン処分を業者に依頼するメリットとは?
上記でご紹介した方法を使えば、パソコンデータは完全に消去できます。しかし、「忙しくてできない」「パソコン初心者でやり方がわからない」と言う方もいらっしゃるでしょう。このような場合は、データ消去とパソコンの処分を業者に依頼することもできます。業者を利用すれば面倒な手間も時間もかけず処分できるでしょう。
データ消去・パソコンの処分サービスのある業者をご紹介します。
5-1.メーカーに依頼する
2003年10月以降に販売されたパソコンには「PCリサイクルマーク」がついています。PCリサイクルマークがあるパソコンはメーカーが無料で引き取ってくれるでしょう。PCリサイクルマークがついていないパソコンは回収費用が必要になります。
5-2.パソコンショップに依頼する
パソコンショップでは、データの消去と不要になったパソコンの処分を受け付けています。パソコンショップでは、データ消去ソフトを使いデータを完全消去した後、物理的に破壊する方法をとるのが一般的です。お店によっては目の前でデータの消去や破壊をしてくれますので安心してお任せできます。データ消去と処分費用の目安は、500円~5000円程度です。費用は業者により大きく異なるため事前に確認してから依頼しましょう。
5-3.データ消去サービスのある回収業者に依頼する
パソコンの処分・データ消去は不用品回収業者でも行っています。不用品回収業者に依頼するメリットは、データ消去やパソコンの処分に加え、買い取りも行っているところです。状態がよく人気の機種であれば、買い取りしてもらえる可能性もあるでしょう。愛用していたパソコンを捨てずにリサイクルできるのはうれしいですよね。また、忙しい人には、宅配回収を行う業者もあります。全国に対応しているため、パソコンを段ボールに詰(つ)めて送るだけで、データ消去と処分が可能です。パソコンだけではなくプリンターやハードディスクなどの周辺機器から家電製品まで幅広く受け付けています。パソコン廃棄と同時に家の不用品も処分できるため、引っ越しなどでまとめて処分したいときにはぜひ利用したいサービスです。
6.パソコン処分業者の選び方
パソコン処分業者を選ぶコツは、手間と時間・費用がかならない会社を選ぶことです。パソコンの処分にはお金がかかると思っていませんか?いいえ、業者選びを間違えなければ、手間もお金もかけずに処分することが可能です。さらに、宅配無料回収を行う業者を選べば、送料無料で引き取ってもらえるでしょう。必要な作業は業者に連絡して段ボールに詰(つ)めて送るだけです。「宅配ではデータ消去を確実に行ってくれるか不安・・」と心配する方も安心してください。データの消去証明書を発行してくれる業者があります。情報流出を防ぐためにも、ホームページなどで、消去証明書の発行や個人情報の取り扱いについて掲載している業者を選ぶと安心です。せっかく業者に依頼するのですから、少しでも楽に安全に処分しましょう。
6-1.パソコンの処分で注意したいこと
パソコンの処分を業者に依頼する場合、回収後のパソコンデータは元に戻せません。必要なデータは必ずバックアップを取るよう注意してください。また、リサイクルショップに買い取りしてもらうときは、データ処分を忘れずに行いましょう。買い取りサービスのある不用品回収業者がデータ消去まで行ってくれると安心です。
7.データ消去に関するよくある質問
7-1.どうしてパソコンの処分が無料にできるのでしょうか?
2003年に施行されたPCリサイクル法により、PCや周辺機器の処分にはお金がかかるようになりました。しかし、一部回収業者では無料で引き取りを行うため、どうして無料なのか不思議に思う方も多いでしょう。このような業者は、引き取ったパソコンをデータ消去しリユース・リサイクルすることで利益を得ています。費用もかからず環境にもやさしいサービスです。
7-2.自作したパソコン・古いパソコンも回収してもらえるでしょうか?
自治体の粗大ごみ回収で、収集してもらえないパソコンも、不用品回収業者なら処分してもらえます。PCリサイクルマークがない・故障して動かない・古いパソコンも回収可能です。無料回収を行っている業者に依頼しましょう。
7-3.処分したいパソコンが大量にある場合は?
破棄したパソコンが大量にある場合、不用品回収業者にまとめて回収してもらう方法がオススメです。電話1本で早くて即日には、回収に来てもらえるでしょう。
7-4.無料と宣伝しながら巡回する廃品回収車に依頼しても大丈夫?
最近、国民生活センターでは、「無料と宣伝していたにもかかわらずトラックに乗せた途端、費用を請求された」というような金銭トラブルが急増しています。また、個人情報の流出の危険性もあるため、十分注意が必要です。パソコンの処分は、データ消去の方法を詳しく明記しているような業者に依頼しましょう。
7-5.自分で物理的破壊したPCの廃棄方法を教えてください。
自分で破壊したパソコンも不用品回収業者で回収してもらえます。現在、ほとんどの自治体で、パソコンなどの家電を回収受け付けしていません。また、回収してもらえても処分費用がかかることが多いです。物理的破壊したパソコンでも無料回収してくれる業者に依頼することをオススメします。
まとめ
いかがでしたか?この記事ではパソコンを廃棄するときのデータ消去方法と業者に依頼するときのポイントをご紹介しました。パソコンを間違った方法で処分すると、データが流出してしまう危険性は十分ご理解頂けたと思います。データ消去を自分でできない方は、安心して任せられる業者に依頼してください。自分だけではなく家族や友人、会社の大切な情報を守るためにも必ず行いましょう。