事務所移転をスムーズに進めるには? 流れや不用品の処分方法について

事務所を移転する際は何から始めればいいのか、悩んでしまう方は多いでしょう。やるべきことがたくさんあればあるほど、パニックになってしまい、やらなければいけない手続きを忘れてしまいがちです。あらかじめ、事務所移転に必要な手続きや流れを把握しておけば、スムーズに作業を進めることができるでしょう。

本記事では、事務所移転の際のポイントなどを解説します。

  1. 事務所移転の際に必要な手続き
  2. 事務所移転をスムーズに進めるポイント
  3. 事務所移転の流れをチェック!
  4. 事務所移転で出た不用品の処分方法
  5. 事務所移転に関してよくある質問

この記事を読むことで、事務所移転の際に出る不用品の処分方法も分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。

1.事務所移転の際に必要な手続き

まずは、事務所移転の際に必要な手続きをチェックしておきましょう。

1-1.郵便局に提出する転居届

事務所移転の際に必ず行わなければならない手続きは、転居届です。これは、個人の住まいを変えるときにも提出しなければならない届け出となります。この転居届をきちんとしておかなければ、前の住所に郵便物が届けられてしまうことになるでしょう。つまり、郵便物がきちんと移転後の住所に届くように設定してもらう手続きです。移転後に、最寄りの郵便局へ「郵便物届出変更届」を提出しましょう。なお、提出の際には、届出人と法人の関係者であることが証明できる社員証・健康保険証が必要になります。

1-2.法務局に提出する「本店・支店移転登記申請書」

法務局に提出しなければならないのが、本店・支店移転登記申請書です。本店が移転する場合は移転後2週間以内、支店の場合は3週間以内が提出期限となります。本店・支店移転登記申請書は、同じ管轄の法務局区内に移転する場合と別の管轄の法務局内に移転する場合で登録免許税の費用が異なるので注意が必要です。同じ管轄の場合は3万円、別の管轄の場合は6万円の登録免許税がかかります。なお、この手続きに必要な書類は登記簿謄本・定款・印鑑証明書・株主総会議事録または取締役会議事録です。

1-3.税務署には「異動届出書」

税務署には、異動届出書を提出しなければなりません。事務所移転は法人税の取り扱いに関係するので、移転前と移転後に、現事務所と新事務所の両方の管轄税務署に提出する必要があります。この手続きで必要なものは、法人登記簿謄本・登記事項証明書・定款等の写しなどです。なお、異動届出書は移転以外にも会社名を変更したり、代表名が変わったりしたときにも提出が必要となります。また、東京都の場合は税務署への届出と併せて、都税事務所にも住所変更の異動届を提出しなければなりません。

1-4.そのほかの必要な手続き

会社で登録している車両があれば、移転先の別の場所に移動しなければなりません。そこで必要になる手続きが、「自動車ほかん場所証明申請書」です。管轄の警察署へ提出する必要があります。さらに、移転でナンバープレートが変わる場合、「安全運転管理者変更届」も提出しなければなりません。また、従業員の年金や健康保険料を取り扱う年金事務所へは「適用事業所所在地・名称変更届」を移転後5日以内に提出してください。ほかにも、労働基準監督署ならびに公共職業安定所には「労働保健所在地等変更届」、公共職業安定所には「雇用保険事業主事業所各種変更届」の提出も必要となります。

2.事務所移転をスムーズに進めるポイント

ここでは、事務所移転をスムーズに進めるためのポイントを解説します。

2-1.あらかじめスケジュールを立てる

事務所移転をスムーズに進めるためには、事前にスケジュールを立てることが大切です。必要な手続きについて説明したように、移転前から移転後までやらなければならないことがたくさんあります。通常業務をこなしながら手続きしたり、片付けたりしなければならないため、多大な時間と労力を要することになるでしょう。そのため、効率的にこなすためには、きちんとした移転計画やスケジュールを立てておかなければなりません。いつからいつまで整理を終わらせるのか、移転計画を社内で共有しておくことも大切です。

2-2.通常業務とバランスを取るコツは?

事務所移転をスムーズに進めるためには、通常業務とのバランスを調節することが重要なポイントです。事務所移転と通常業務とのバランスをうまく取るために、以下のポイントに注目してください。

  • 引っ越しをいつにするか明確にする
  • 従業員にスケジュールをしっかりと周知する
  • オフィスのレイアウトを共有する
  • 取引先など関連各所への連絡
  • 回線工事の予定を確認する
  • リース契約している機器の手続きを済ませる
  • 印刷物などの手配と荷造り作業は早めを心がける
  • すぐに使いたいものは分かりやすくまとめる

上記のポイントを押さえていてもトラブルはつきものです。どのようなトラブルにも対処できるように、事前に考えうるトラブルをピックアップしておきましょう。そうすれば、対処法を考えることもでき、実際にトラブルが起きても迅速に対処できるはずです。

3.事務所移転の流れをチェック!

ここでは、事務所移転の大まかな流れを紹介します。

3-1.事務所移転6か月以上前から準備を始める

事務所移転の準備を始めるのは、最低でも移転日の6か月以上前が理想とされています。6か月以上前には新しい事務所の移転担当メンバーを選出し、移転先の条件設定や大まかな移転スケジュールを立ててください。現在の事務所は原状回復や敷金・保証金についての契約書を確認します。できれば、移転の6か月前には新しい事務所の選定と契約を済ませておきたいところです。そして、移転の5か月前には新しい事務所のレイアウトや内装を決めて施工業者へ依頼しておきましょう。この時期から備品の整理や処分を始めます。

3-2.移転4か月前から具体的に作業を進める

事務所移転の4か月前からは本格的に、移転の作業を進めることになります。事務所のデザインを決めて新しい備品を検討したり、引っ越し会社の選定と依頼を済ませたり、移転詳細のスケジュールも作成しておくと安心です。移転3か月前には、OA機器の移設依頼や郵便局への転居届も提出しておきましょう。そして、移転2か月前になったら内装工事の着手に入ります。現事務所では移転挨拶状を用意したり、取引銀行へ届け出をしたり、社内向け移転マニュアルも作成してください。

3-3.備品搬入は事務所移転1か月前から

新しい事務所への備品搬入は、事務所移転の1か月前から行うことになります。住所変更が必要なものを確認したり、現事務所の原状回復工事を行ったりするのもこの時期です。また、備品搬入と併せて、防火対象物開始届出書を移転後の管轄消防署に提出しましょう。火災予防条例第56条で決められていることですので、絶対に忘れないようにしてください。

3-4.事務所移転後にすべきこと

事務所移転後は本店移転登記申請書・異動届出書の提出など、やらなければならないことがたくさなります。なるべく、提出期限が短いものから手続きを済ませていくとギリギリになる心配はありません。また、移転前の事務所では原状回復工事が終わった後、明け渡しから契約終了となり、敷金・保証金の変換が行われます。敷金の返金時期は法律などで決まっているわけではないため、契約書しだいで時期が変わるでしょう。敷金や保証金を新しい事務所の補償金にしようと思ってる方は注意が必要です。

4.事務所移転で出た不用品の処分方法

ここでは、事務所移転で出た不用品の処分方法を紹介します。

4-1.不用品回収業者に依頼する

事務所移転の際に出るゴミは大量になること、そして会社で使用したものは産業廃棄物扱いになることから、自治体のゴミとして捨てることはできません。一般的に、産業廃棄物の収集運搬許可を取得している不用品回収業者へ依頼することになるでしょう。ほとんどの不用品回収業者は出張回収を行っているため、事務所にやってきて不用品をそのまま回収してくれます。大量の不用品が出た場合は、定額パックプランなどを利用するといいでしょう。不用品が多くなるほど処分費用が高くなるので、見積書は入念にチェックしてくださいね。

4-2.買取も視野に入れる

事務所で使用する備品の中には、買取対象になるものがあります。たとえば、パーテーション・デスク・チェア・応接セット・ローカウンター・ワードローブ・コインロッカーといったオフィス家具や事務用品は中古市場でも需要がある品です。問題なく再利用できる状態であれば、買取専門店やリサイクルショップで買い取ってもらうことができるでしょう。買い取ってもらえるものが多くなるほど、処分費用の節約につながります。処分するのがもったいない・できるだけ処分費用を抑えたいという方は、買取も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

4-3.不用品回収業者選びのポイント

どの不用品回収業者に依頼すればいいのか分からない方は、以下のポイントを参考にしてください。

  • 不用品回収の実績があるか
  • 見積書の内容が具体的に記載されているか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 無料相談や無料見積もりを行っているか
  • 法人向けのサービスが充実しているか
  • 口コミや評判がいいか
  • 無料回収の理由がしっかりと記載されているか

パソコンなどを中心に無料回収を行っているパソコンダストでは、パソコンや各種機器など幅広い不用品を回収しています。回収したものを自社でメンテナンスし再販してるからこそ、回収に費用はかかりません。事務所移転で出た不用品の処分で悩んでいる方は、ぜひ一度お問い合わせください。

5.事務所移転に関してよくある質問

事務所移転に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.移転の際にほかにやっておいたほうがいいことは?
A.現事務所で感じている問題点や不便なところをピックアップすることです。現事務所で抱えている問題が新しい事務所で解決しなければ、再び移転を検討することになってしまうでしょう。現在の事務所で社員はどのような問題を抱えているのか、新しい事務所ではどうすれば問題を解決できるのか、考え話し合うことが大切です。

Q.移転を決める際にチェックしておきたいことは?
A.現事務所が入居しているビルの解約予告期間です。移転計画が持ち上がった際に、まず賃貸借契約書に記載されている内容を確認しておかなければなりません。そこには、退去に関する重要な内容が記載されています。中でも、解約予告期間は必ずチェックしておきたいポイントです。だいたいのオフィスビルは退去の6か月前に解約通知を行わなければなりません。

Q.作業を効率よく進めるために、移転目的は重要か?
A.移転目的を明確にすることはとても重要です。事務所移転の目的が抜け落ちてしまったり、不明確になってしまったりすると、移転作業も思い通りに進めることはできません。そもそも、より良い物件を探すのが困難になるため、なぜ今移転をするのか・移転するメリットは何なのか明確にし、従業員の共通認識として持てるようにしておきましょう。

Q.移転費用の予算は早めに確認すべきか?
A.余裕を持って早めに確認してください。事務所移転には莫大な費用がかかるため、スムーズに移転作業を進めるためにも早めに決めておかなければなりません。なお、予算の決め方には、業者に依頼し具体的な見積もりを取る方法と希望の工事をすべて行った場合の予算を出してもらい、そこから内容と金額を検討していく2つの方法があります。

Q.不用品を処分する際に注意すべきことは?
A.会社で使用しているパソコンを手放す際、PCリサイクル法に基づいて処分しなければならないので注意が必要です。基本的に、メーカーへ回収依頼をすることになります。なお、パソコン内に含まれているデータもすべて自分たちで消去しなければなりません。きちんと消去しておかなければ、大事なデータが流出し悪用されてしまう危険があります。

まとめ

事務所移転をスムーズに進めるためには、まず、スケジュールを立てて従業員に共有しておくことが大切です。引っ越し作業と併せて通常業務もこなしていかなければならないので、バランスがとても重要となります。また、移転前と移転後でしなければならない手続きもあるため、移転担当者はしっかりと認知しておきましょう。そして、移転時に出た不用品はまとめて処分したほうがスピーディーに片付きます。その際は、不用品回収業者への依頼がおすすめです。中には、無料回収を行っているところもあるので、ぜひチェックしてください。