古いパソコンの処分は無料で行える? 処分前はデータ消去も忘れずに
古いパソコンを処分する場合、普通にゴミに出して良いと思っている方は多いでしょう。パソコンはPCリサイクル法によって処分方法が決められているため、自治体のゴミとして出せなくなりました。そのため、メーカーや家電量販店・回収業者などに回収してもらう方法が一般的です。
本記事では、古いパソコンを処分する正しい方法を紹介すると共に、処分前の注意点なども解説していきます。
この記事を読むことで、古いパソコンの処分方法や処分前にやるべきことが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。
1.古いパソコンを処分する際の注意点
古いパソコンを処分する際の注意点は以下のとおりです。
1-1.家庭ゴミとして出せない
パソコンは資源有効利用促進法(PCリサイクル法)によって、自治体回収での処分ができません。パソコン(デスクトップ型・ノート型・液晶一体型)・モニター・液晶ディスプレイと対象になっているものは、家庭ゴミとして出せないので注意してください。これらには貴重な資源が含まれているため、その資源を再利用することが推奨されています。資源有効利用促進法によって処分方法が決まっているのも、資源をリサイクルする・廃棄物の量を減らすことが目的です。間違った方法で処分すると不法投棄とみなされる恐れがあるため、きちんと正しい方法で処分しましょう。
1-2.パソコンの製造年月・メーカーを確認する
パソコンを処分する前に、製造年月とメーカーを必ず確認してください。まだ正常に使える状態かつ製造年月から3〜5年以内のパソコンなら買い取ってもらえる可能性が高くなるからです。できるだけ、パソコンの処分に費用をかけたくない方は、買取に出したほうがお得に手放せます。また、製造年月とメーカーの確認と併せて、PCリサイクルマークが貼られてあるかもチェックしておきましょう。PCリサイクルマークが貼ってあるパソコンなら、メーカーによる無償回収が可能です。ただし、PCリサイクルマークが貼られていないパソコンの場合、以下の費用がかかります。
- デスクトップパソコン本体:3,300円
- ノートパソコン:3,300円
- 液晶ディスプレイ:3,300円
- 液晶ディスプレイ一体型パソコン:3,300円
- CRTディスプレイ:4,400円
- CRTディスプレイ一体型パソコン:4,400円
- デスクトップパソコン本体+CRTディスプレイ:7,700円
- デスクトップパソコン本体+液晶ディスプレイ:6,600円
2.古いパソコンの処分前にやるべきこと
古いパソコンを処分する前には、データ消去をしなければなれません。ここでは、データ消去について解説します。
2-1.データ消去をする意味
2010年2月に「データ消去は使用者の責任である」とパソコン廃棄のガイドラインが発表されました。古いパソコンを処分するときは、事前にデータ消去をすることになります。データを残したまま処分すると、個人情報などの重要なデータを盗まれてしまう恐れがあるからです。ほとんどの人はたいした情報がないと思っているでしょう。しかし、パソコンの中には、住所や名前・画像といった重要なデータが保存されています。クレジットカードでネット通販をしたことがある方は、そのクレジットカード情報が流出する恐れがあるのです。要するに、どんな情報でも、個人情報が人に知られたり悪用されたりすることがあるため、データはきちんと消去しなければなりません。
2-2.壊れた古いパソコンならデータ消去は必要ない?
「壊れてしまい全然動かない古いパソコンだから、データが流出することはない」と思っている人はいるでしょう。たとえ、パソコンが壊れていても、データが記録されているHDDに問題がなければデータは復旧します。これは、初期化でも同じことがいえるでしょう。パソコンの初期化はパソコンを工場出荷前の状態にするだけなので、HDDに記録は残っている状態です。よって、初期化だけでデータが消去できると思わないでください。
2-3.データ消去方法
ここでは、データの消去方法を紹介します。
2-3-1.データ消去専用ソフトを利用する
簡単にデータを消去できる方法としては、データ消去専用ソフトを利用する方法があります。古いパソコンでも電源がつき、正常に動く状態ならこの方法がおすすめです。なお、データ消去専用ソフトはフリーソフトと有償ソフトがあります。パソコンによっては、最初からデータ消去ソフトがインストールされている状態もありますので、確認してみてください。完全にデータを消去するためにも、有償ソフトを使ったほうが良いでしょう。
2-3-2.HDDを破壊する
パソコンが起動しない場合、HDDを取り出して破壊する方法があります。HDDを破壊することで、データが復旧できなくなるので安心して処分できるでしょう。ただし、きちんと破壊されているか分からなかったり、破片が飛び散ってケガをしたりする恐れがあります。不安な方は別の方法でデータを消去してください。
2-3-3.特殊装置によるデータ消去
特殊装置を使って、HDDに強い磁気をかけて破壊する方法です。専門業者にデータ消去を依頼したとき、この方法が使われるでしょう。パソコンの販売店や不用品回収業者ではデータ消去サービスを受け付けているところがあるので、ぜひチェックしてみてください。
2-4.データ消去を業者に依頼するときの注意点
パソコンのデータ消去を業者に依頼する場合、以下のことに注意しましょう。
2-4-1.セキュリティー体制が整っているか
データ消去を業者に依頼するときには、セキュリティー体制が整っているかをチェックしてください。個人情報をきちんと守っているか・情報漏えい防止対策を行っているか・データ消去の方法や環境がきちんと整っているかが大切です。セキュリティー体制が整っていない業者の場合、そこから情報漏えいしてしまう恐れがあります。
2-4-2.消去方法について説明があるか
データの消去方法について説明してくれるかも、チェックしておきたいポイントです。ホームページなどに記載がないときには、問い合わせて確認してみましょう。回答に躊躇(ちゅうちょ)したり・フリーソフトで消去していたりする場合は、安心して依頼できません。
2-4-3.データ消去にかかる料金をホームページで明記しているか
業者が行うデータ消去サービスは無料のところもあれば、有料と記載されているところもあります。有料の場合、データ消去にかかる料金がホームページなどでしっかりと明記しているかチェックしましょう。また、見積書の内容も確認しておきたいポイントです。料金が明確になっていなかったり、見積書の内容が大ざっぱになっていたりする場合は、気をつけたほうが良いでしょう。
3.古いパソコンを処分する方法
古いパソコンを処分方法は以下のとおりです。それぞれの特徴を紹介します。
3-1.メーカーに回収してもらう
パソコンメーカーのほとんどが、自社製品のパソコンを回収しています。メーカーに回収を依頼すれば、決められた手順で処分できるでしょう。ただし、そのとき注意したいのが、PCリサイクルマークの有無です。前述したように、PCリサイクルマークがあれば、無料で回収してくれます。回収を依頼する前に、PCリサイクルマークの有無をチェックしておきましょう。
3-2.リユース企業を利用する
パソコンリユース企業では古いパソコンも回収しています。メーカー・故障の有無は問いませんし、自作PCなども対象です。料金については、ホームページなどで確認してください。
3-3.中古買取店に買取依頼する
古いパソコンの場合は買取は難しいといわれていますが、まだ可動するパソコンであれば、買い取ってもらえる可能性があります。ただし、発売されてから3〜5年以上経過しているパソコンは、買取不可になる可能性が高いでしょう。
3-4.家電量販店に引き取ってもらう
新しいパソコンへ買い換えるときは、購入店に古いパソコンの引き取りを依頼するといいでしょう。購入と同時に処分ができるため、手間と時間がかかりません。家電量販店の中には、比較的新しいパソコンなら下取りサービスが利用できるところもあります。
3-5.自治体の対応を確認する
自治体では、パソコンは普通ゴミとして回収はしていません。しかし、小型家電リサイクル対象品として回収している場合があります。それぞれの自治体で対応は違いますので、問い合わせてみてください。その際に、料金や回収方法などもしっかり確認しましょう。
3-6.不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者に依頼するのも選択肢の1つです。パソコンだけではなく、そのほかの不用品もまとめて処分できるメリットがあります。不用品回収業者の中には、無料回収を行っているところもあるので、ぜひチェックしてみてください。
4.古いパソコンの回収ならパソコンダストへ
パソコンダストはパソコンだけではなく、周辺機器の回収も無料で行っています。パソコンダストの特徴は以下のとおりです。
4-1.壊れていても回収可能
パソコンダストでは、デスクトップ型・ノート型・OS・年式・性能すべて問わず回収できます。古いパソコンや壊れているものでも回収可能です。宅配回収なら全国に対応しており、自分のペースでパソコンを処分できます。宅配回収のほか、持ち込み回収と出張回収も行っているので、ぜひホームページをご覧ください。
4-2.無料で回収できる理由
パソコンダストでは、再販売できるパソコンは自社でメンテナンスし、リユース品として販売しています。壊れていてリユースできないパソコンの場合でも、貴重な資源を取り出し有効活用しているので回収コストがかかりません。
4-3.データ消去サービスも
パソコンダストでは、パソコンの無料回収だけでなく、データの消去サービスも行っています。論理的消去と物理的破壊を組み合わせることで情報漏えいを確実に防げるのでご安心ください。ちなみに、論理的消去には論理的ハードディスク消去機を使い、米国家安全保障局が推奨している消去方式を用いています。物理的破壊は物理的ハードディスク破壊機を使い、約3トンの油圧によって4本のピンがHDDを加圧処理する方法です。10秒程度でHDDに穴を空け、データを読み取り不可能にします。
5.古いパソコンの処分に関してよくある質問
古いパソコンの処分に関してよくある質問を5つピックアップしました。
Q.不用品回収業者のデータ消去サービスは安心か?
A.どのような方法でデータ消去を行うのか、ホームページ等にしっかりと記載されている業者なら安心して依頼できます。後でトラブルになるのを防ぐために、データ消去証明書を発行してもらうと良いでしょう。
Q.データを消去する前にやるべきことは?
A.データを新しいパソコンなどに移行しておかなければなりません。データの移行方法としては、HDDやSSDなどの外付け記憶デバイス・メーカー純正の移行ツールなどを使う方法があります。
Q.古いパソコンの買取不可になるのか?
A.一般的に、パソコンの買取条件は、壊れていない・発売年月から3〜5年以内のパソコンです。どうしてもパソコンを売りたい方は、ネットオークションやフリマアプリを利用するなど、自分で売る方法のほうが良いでしょう。
Q.パソコンは家電リサイクル法の対象か?
A.パソコンは家電リサイクル法の対象外です。そのため、「粗大ゴミで捨てることができるのでは?」と思われがちですが、自治体回収で捨てることはできませんので注意してください。ただし、ノートパソコンといった小さめのものは小型家電リサイクル法の対象になることがあるため、自治体に問い合わせて確認しましょう。
Q.解体したパソコンはどう処分すればいい?
A.自身で解体したパソコンは、粗大ゴミまたは燃えないゴミ・資源ゴミの対象となります。自治体の回収ルールを守って処分してください。
まとめ
パソコンは、資源有効利用促進法によって処分方法が決まっているため、自治体回収での処分ができません。また、処分前には、必ずデータを消去する必要があります。自分でデータを消去するのが不安な方は、データ消去サービスを行っている不要品回収業者に依頼すると良いでしょう。パソコンの無料回収を行っているところもあるので、ぜひチェックしてみてください。