エアコンの処分はどうする? 処分方法やお得な買取利用方法教えます!

不要になった・古くなった・故障してしまったエアコンは「どうやって処分すればいいのか」とお困りの人は少なくありません。エアコンは、家電リサイクル法の対象家電のため、粗大ゴミとして処分することができないのです。買い替えか、廃棄だけかなど、目的によっても処分方法は異なります。また、エアコンはどうやって取り外せばいいのかも悩みどころですよね。そこで、エアコンを処分するために必要な情報をまとめてみました。

  1. エアコンは自治体の粗大ゴミでは処分できない
  2. エアコンの取り外しは自分でやる? 業者に依頼する?
  3. エアコンを目的別に処分する方法
  4. エアコンの買取サービスについて
  5. エアコンの処分についてよくある質問

この記事を読むことで、お得なエアコンの処分法や買取のコツなども分かるでしょう。ぜひお役立てくださいね。

1.エアコンは自治体の粗大ゴミでは処分できない

故障したエアコンや古くなったエアコンを「処分しよう」と思っても、ほかの家電や家具のように、自治体の粗大ゴミで捨てることはできません。「家電リサイクル法」に基づいて処分する必要があります。知っておきたい基礎知識をご紹介しましょう。

1-1.有用な資源を再活用するための家電リサイクル法

家電リサイクル法は、正式名称を「特定家庭用機器再商品化法」といい、2001年4月1日より本格施行されました。それまでは、家庭から排出される家電などは自治体が収集し処理を行っていたのです。しかしながら、家電に含まれている有用な部品や金属などが含まれているため、それを取り出し有効利用するため、また廃棄物自体を減らすためにこの法律がスタートしました。これにより、以下の要件が義務付けられたのです。

  • 家電の販売店などには、対象家電の引き取りの義務
  • メーカーはリサイクル(再商品化)の義務
  • 排出者はリサイクル料金を支払う義務

1-2.エアコンのリサイクル料金は972円〜

排出者が支払うリサイクル料金は、処分方法やアイテムによって異なります。エアコンの場合は、メーカーによって料金が異なり、972円〜です。詳細は、こちらの「リサイクル料金一覧表」をご確認ください。
また、リサイクル料金の支払いは「家電リサイクル券」を購入することによって行い、料金販売店回収方式と料金郵便局振込方式の2種類があるのです。それぞれの詳細は、こちらの「家電リサイクル券システム」でご確認ください。

1-3.エアコンは「家電リサイクル法」の対象家電

家電リサイクル法の対象は以下の4品目で、いずれも「家庭用」に限ります。

  • エアコン(室外機やリモコンを含む)※
  • テレビ(ブラウン管・液晶・プラズマ)
  • 冷蔵庫・冷凍庫
  • 洗濯機・衣類乾燥機

※家庭用のエアコンでも、天井埋め込み形・天つり形・壁埋め込み形は対象外になります。詳細は、家電製品協会の「対象製品か、もっと詳しく確認」でお確かめください。

1-4.家電リサイクル法に基づいてエアコンを処分するには

エアコンを家電リサイクル法に基づいて処分するには、以下の方法があります。

  • 家電販売店や電気店に引き取りを依頼する
  • 自治体の収集サービスを利用する
  • 自分で指定引き取り場所に持ち込む

それぞれの詳しい方法は、あとの項で詳しくご説明しましょう。

2.エアコンの取り外しは自分でやる? 業者に依頼する?

不要になったエアコンを処分するには、まず取り外さなければなりません。どのようにして取り外せばいいのでしょうか。

2-1.エアコンを自分で取り外すのはNG!

エアコンの取り外しは、基本的に素人が自分で外すのはNGです。「業者に依頼するとお金がかかるから自分でやりたい」という人もいるでしょう。実際、インターネットで検索すると、自力でエアコンを取り外す方法を写真付きで紹介しているサイトもあります。けれども、エアコンは室内機・室外機の両方を撤去する前にいくつもの作業を行わなければなりません。さらに、工具も必要です。
また、ポンプダウン(※)など、取り外すために必ず行わなければならない作業もあります。いざ、自分で始めたもののうまくいかず、結局業者に依頼したというケースも少なくありません。専門知識を持たない人が、自分で取り外すのは危険を伴うのでやめたほうがいいでしょう。

※ポンプダウン:室内機と配管パイプ内に残っているフロンガス(冷媒ガス)を、室内機に閉じ込める作業で、エアコンの取り外しには欠かせない作業。これを行わないと、フロンガスが放出され環境汚染になるため必ず実施する必要がある

2-2.エアコンの取り外しは家電量販店・電気店・専門業者などに依頼する

エアコンを買い替える場合は、新しいエアコンを購入する家電量販店・電気店などに取り外し・取り付けを依頼できます。買い替えをせず、処分だけをしたい場合でも取り外しはOKです。また、エアコン工事の専門業者にも依頼する方法もあります。
さらに、不用品買取回収業者が買取をする際、取り外しや搬出もサービスで行ってくれる場合もあるでしょう。目的によって依頼先を選んでください。

3.エアコンを目的別に処分する方法

新しい製品に買い替えたい・引き取りだけ希望など、目的別にエアコンを処分する方法をご紹介しましょう。

3-1.買い替えの場合は家電量販店が便利

新しいエアコンに買い替えする場合は、家電量販店に取り外し・取り付け・搬出・運搬をすべて依頼できます。家電リサイクル券の購入や手続きは販売店が行うので、排出者は家電量販店にリサイクル料金を支払ってください。
費用は、新しいエアコンの料金・リサイクル料金・古いエアコンの取り外し費用・運送費などが必要になるでしょう。取り外し費用の相場は4,000円〜6,000円、収集・運搬費は1,000円〜です。店によって料金は異なるため、詳しくは、各家電量販店のホームページなどでご確認ください。

3-2.取り外しだけだと割高になることも

家電量販店では、新しいエアコンを購入しなくても古いエアコンの引き取りを行っているところが多いものです。リサイクル料金のほか、古いエアコンの取り外し費用・運送費などが必要になります。ただし、新しいエアコンを購入する場合よりも料金は割高になるでしょう。こちらの場合も、料金は販売店によって異なるので事前に確認してください。

3-3.小売店に引き取りをお願いする方法もある

「街の電気屋さん」などの小売店も、消費者が以前購入したエアコンの引き取りに応じています。費用は、リサイクル料金・エアコンの取り外し費用・運送費・駐車場代(排出者宅に駐車場がない・車を止めておけないなどの場合)などが必要になるでしょう。

3-4.自治体の家電リサイクル収集サービスも利用可能

自治体によっては、リサイクル家電の収集を行っているところもあります。

3-4-1.家電リサイクル受付センター

家電リサイクル受付センターでは、東京都23区に住んでいる区民と事業者に限り回収を行っています。申し込みは、ホームページや電話から行ってください。家電リサイクル券の手続きはセンターが行うので消費者は手間がかかりません。
ただし、リサイクル料金と収集運搬料金(※)を支払う必要があります。エアコンの取り外しや部屋から玄関までの移動は行ってもらえません。専門業者に取り外しと移動を依頼する必要があります。

※リサイクル料金と収集運搬料金:料金の目安は、エアコンのリサイクル料が972円、運搬料3,100円です。メーカーによっても料金は異なるので、こちらの「リサイクル料金検索」でお確かめください。

3-4-2.横浜家電リサイクル推進協議会

横浜の「横浜家電リサイクル推進協議会」でも、東京都と同様に古いエアコンの回収を行っています。こちらも同様に、リサイクル料金と収集運搬料金が必要です。

3-5.「指定引取場所」に運搬すれば運搬費用は浮くが、取り外し費用が必要

自治体などから許可を受けた「指定引取場所」に、直接自分で古いエアコンを持ち込む方法です。この場合は、自分で運ぶので運搬料金はかかりません。ただし、「料金郵便局振込方式」(※)で、リサイクル料金を郵便局で支払う必要があります。
お近くの指定引取場所がどこにあるのかは、家電リサイクル券センターの「指定引取場所検索」で調べてください。また、自分で持ち込む場合は、エアコンの取り外しや室内機・室外機の運び出しを専門業者に依頼する必要があるため、その分の費用がかかります。

※料金郵便局振込方式:一般財団法人家電製品協会家電リサイクル券センター(RKC)あてに、リサイクル料金を振り込む。

3-6.不用品回収業者なら、ほかの不用品も処分可能

不用品回収業者では、古いエアコンの回収を行っているところもあります。エアコンだけではなく、ほかにも不要になった家電や家具があるときにまとめて処分できるので、引っ越しや大掃除などのときに便利でしょう。また、エアコンの取り外しや搬出もしてくれる業者も多く、希望する日時に家まで来てもらえるのもメリットです。業者に依頼する場合は、事前に回収にかかる費用など料金の見積もりを出してもらってください。

3-7.取り外しだけを依頼する方法もある

エアコンを自分で指定引取場所に持ち込む・家電リサイクル収集サービスを利用する・人に譲るなどの場合は、自分で取り外さないで専門業者に取り外しを依頼してください。費用は業者によっても異なります。目安としては、取り外し料金3,500〜4,500円+処分費用(リサイクル料金など)2,500円+運搬費用4,000円くらいです。

4.エアコンの買取サービスを利用する

まだ新しい・ほとんど使っていない・有名メーカーなどのエアコンは、家電などの買取業者に売る方法もあります。業者の買取サービスを利用する場合は、処分するわけではないのでリサイクル料金は不要です。また、専門業者なので、エアコンの取り外し・搬出・運搬までをすべて任せられるのもメリットでしょう。業者によって料金や買取方法の詳細などは異なります。事前に、いくつかの業者に買取金額見積もりを依頼し比較検討してみましょう。

4-1.買取の対象となるエアコン

業者によっても条件が異なりますが、一般的に買取対象となるエアコンは以下のようなものになります。

  • 未使用の製品
  • 新品購入時から5年以下の製品
  • 年数がたっていても有名メーカーの製品や高性能の製品
  • 破損・傷・汚れ・臭いなどがなく使用に支障がないもの

4-2.エアコン専門買取業者の買取方法

家電などの買取業者では、出張買取・店頭買取・宅配買取を行っています。ただし、エアコンは大きく重いので店頭持ち込みや宅配で送るのは大変です。出張買取・取り外し・搬出に対応している業者を選びましょう。依頼するときには、事前に買取金額の見積もりほか、取り外し・搬出料金はいくらかかるのかなどを確認してください。

4-3.エアコンを買取に出す前にはできるだけきれいにしてから査定に出す

エアコンに限りませんが、買取査定に出す前にはきれいに掃除をすることが大切です。ただし、素人が内部まで掃除をするのは故障の原因にもなるのでやめましょう。フィルターを外し、ホコリを掃除機で吸い取り水洗いして乾燥させてください。また、外側もできるだけきれいに拭き掃除をしましょう。タバコの臭いがするエアコンは、買取を断られる可能性が大です。内部のクリーニングを業者に依頼し、きれいにしてから査定に出したほうがいいでしょう。
また、エアコンの取扱説明書やリモコンなど、付属品はすべてそろえてから査定に出してください。

5.エアコン処分に関するよくある質問

不要になったエアコンの処分に関する、よくある質問をご紹介しましょう。ぜひ参考にしてみてください。

Q.お金を節約したいのでエアコンを自分で取り外し指定引取場所に持ち込みたいのですが大変でしょうか。
A.エアコンの室内機・室外機を取り外すのは大変な手間がかかります。また、フロンガスが流出してしまう可能性もあるでしょう。さらに、壁やエアコン本体を傷付けるリスクもあります。また、指定引取場所に持ち込むには、室内機・室外機ともに積み込める車を用意しなければならばならないとともに、自分で車まで運ぶ必要もあるのです。手間やリスクを考えると、販売店や専門業者に依頼するほうが結果的にお得でしょう。

Q.エアコン買取業者はたくさんあるので何を基準に選んでいいのか分かりません。ポイントを教えてください。
A.以下のことをチェックしてみましょう。

  • エアコン買取の実績がある
  • 取り外し・搬出・運搬をすべて行ってくれる
  • 査定や見積もりは無料で行う
  • 取り外し料金や運搬料金が安い

いきなり1社に決めず、複数社に見積もりを依頼し、金額や条件などを比較検討してみましょう。

Q.有名メーカーの高性能エアコンを購入しましたが、数年後は引っ越すため買取に出す予定です。できるだけ高く買取してもらうために心がけておくことはありますか?
A.以下のことを心がけてください。

  • タバコは吸わない
  • こまめにフィルターを掃除する
  • 業者に内部クリーニングをしてもらう
  • 取扱説明書や付属品などは無くさないようにまとめて保管しておく
  • 外箱を保管しておく
  • エアコンの外側も時々きれいに拭き取り掃除をする

また、エアコンのある部屋で鉄板焼きなどの油・煙が出る料理はしないほうが汚れは少なくて済みます。

Q.家電リサイクル法の対象になるエアコンは「家庭用」だけと聞きました。小さいオフィスなので家庭用エアコンを使用していますが対象外ですか?
A.オフィスで使用しているエアコンでも、「家庭用」であれば家電リサイクル法の対象になります。

まとめ

エアコンは、自治体の粗大ゴミに出せないのでご紹介した方法の中から自分にあったものを選んでください。エアコンを自分で取り外して廃棄処分するのは、取り外すための工具や運ぶための車の手配など何かとお金がかかります。また、自分で処分してもリサイクル料金は支払わなければなりません。手間も時間もかかるので、販売店・買取業者・不用品回収業者などを上手に利用してくださいね。