パソコンリサイクル法の内容が知りたい!お得に処分する方法は?

パソコンの処分方法は、パソコンリサイクル法(資源有効利用促進法)に基づいて定められています。自治体での回収は不可となっており、資源再利用のためにメーカーによる回収とリサイクルが義務づけられているのです。本記事では、パソコンリサイクル法に基づいた処分方法を解説します。

  1. パソコンリサイクル法の目的
  2. 家庭用パソコンをリサイクルする方法
  3. 業務用パソコンをリサイクルする方法
  4. パソコンを無料で処分する方法
  5. パソコンリサイクル法に関してよくある質問

この記事を読むことで、パソコンをお得に処分する方法などが分かります。処分で悩んでいる方はぜひチェックしてください。

1.パソコンリサイクル法の目的

まずは、パソコンリサイクル法の目的や、リサイクル後の行く末などについてチェックしておきましょう。

1-1.パソコンはメーカーによる回収・リサイクルが義務づけられている

パソコンリサイクル法は、資源有効利用促進法と呼ばれている法律の俗称で、メーカーによる回収とリサイクルが義務づけられています。パソコンを使用した排出者はメーカーリサイクル受付に申し込み、郵便局へ持ち込むか戸口集荷を依頼、そしてパソコンが再資源化センターへ運びこまれリサイクルされる仕組みです。法律で処分方法が定められているため、自治体で処分することはできません。誤って捨てないように気をつけてくださいね。

1-2.貴重な資源の再利用が目的

パソコンのリサイクルが義務づけられているのは、貴重な資源を再利用するためです。パソコンの中には、銅・鋼・レアメタルなどの貴重な資源が豊富に含まれています。これらの資源は数に限りがあるので、リサイクルが必要なのです。また、ゴミの廃棄量を減らす目的もあります。

1-3.回収したパソコンは再資源化センターで分解・分別される

回収されたパソコンは、再資源化センターへ集められ、セキュリティーがきちんと施された部屋で管理・解体されます。1台ずつ手作業で分解・分別され、ケーブル・ディスク・ハードディスクなどパーツや材質ごとにさらに細かく分解され、新しい製品へと生まれ変わるのです。

2.家庭用パソコンをリサイクルする方法

家庭用パソコンをリサイクルする方法を解説していきましょう。

2-1.対象となる機種は大まかに分けて3種類

リサイクル対象となるパソコンは、デスクトップ本体・ディスプレイ・ノートブックパソコンの3種類です。基本的に、メーカーへ回収の申し込みを行いますが、メーカーによって回収している機種・種類などが異なるのでホームページ等で確認してください。

2-2.PCリサイクルマークの有無でリサイクル料金が変わる

2003年10月以降に販売された家庭向けパソコンには、PCリサイクルマークがついています。このマークがついているパソコンは、リサイクル料金がかかりません。ただし、マークがついていないパソコンを回収依頼する際は、料金を支払う必要があるので注意してください。料金は、各パソコンメーカーで異なるので確認しましょう。メーカーの窓口は、一般社団法人 パソコン3R推進協会のホームページでチェックできます。

2-3.リサイクル方法と手順を紹介!

家庭用パソコンをリサイクル処分する場合は、以下の流れで進めることになります。

  1. PCリサイクルマークの有無を確認した上で、パソコンメーカーに回収依頼する
  2. 送られてくるエコゆうパックの伝票に必要事項を記入する
  3. パソコンをこん包し、郵便局へ持ち込むか戸口集荷を依頼する
  4. 郵便局が再資源化センターへパソコンを届け、リサイクルされる

パソコンメーカーへ申し込みをする前に、製品カテゴリーと型番・PCリサイクルマークの有無を必ずチェックしてください。PCリサイクルマークがない場合は、最寄りの郵便局等で必要なリサイクル料金を支払うことになります。

2-4.手続きは各メーカーの窓口で行う

家庭用パソコンを処分する場合は、各パソコンメーカーのホームページまたは電話などで申し込みが可能です。基本的に、メーカーのお客様サポートセンター等から手続きを済ませることができます。申し込みの際に、型番や品種などを伝える必要があるので、事前に確認したほうがスムーズに手続きを済ませることができるでしょう。

2-5.事前にチェックしておきたいのは「こん包のやり方」と「データ消去」

メーカーへ回収依頼をした後、エコゆうパックの伝票が送られてきますが、自分でパソコンをこん包する必要があります。郵送途中に破れない程度の簡易こん包で大丈夫です。基本的に、厚手のビニール袋を2枚重ねるか、ダンボールにこん包することになるでしょう。ただし、必ず守らなければならないのが、1台ずつこん包すること、そして縦・横・幅の長さ合計が1.7m以内になることです。搬送中にビニールが避けたり、箱が壊れたりしないようにきちんとこん包しましょう。
そしてもう1つチェックしておきたいのが、データを消去することです。パソコンのデータは消去してもらえないので、自分で削除する必要があります。主な消去方法は以下のとおりです。

  • 専用ソフトウェアでデータを消去する
  • 専用装置でデータを消去する
  • HDDを物理的に破壊する

2-6.回収メーカー、PCリサイクルマークがない場合はパソコン3R推進協会へ

パソコンのメーカーがなくなっている・PCリサイクルマークがない場合は、パソコン3R推進協会へ回収を依頼してください。メーカーの代わりにパソコン3R推進協会が回収し、リサイクルします。回収メーカーがない場合は、PCリサイクルマークがついていても回収再資源化料金が必要です。その点は十分に注意してくださいね。

3.業務用パソコンをリサイクルする方法

業務用パソコンをリサイクルする方法と注意点を解説します。

3-1.主な手順と流れを紹介!

企業・自治体・学校など法人が使用した業務用パソコンも、家庭用パソコンと同じく各メーカーが回収を行っています。メーカー窓口一覧で申し込みをした後の流れは以下のとおりです。

  1. パソコンメーカーに回収依頼をする
  2. 提出された見積書を確認し、契約する
  3. 輸送伝票がメーカーから送付される
  4. 輸送会社に回収・配送を依頼する
  5. 輸送会社がパソコンメーカーの回収センターへ持ち運びリサイクルされる
  6. パソコンの処理が完了すると、資源減却報告書が発行される

家庭用パソコンと異なる点は、PCリサイクルマークの有無に関わらずリサイクル料金が発生することです。また、見積書に合意すると、処理委託契約を締結する必要があります。

3-2.事業用パソコンは産業廃棄物扱いになる

法人で使用された事業用パソコンは、産業廃棄物扱いになるので注意が必要です。産業廃棄物収集運搬許可を取得している業者でなければ回収できません。また、自治体回収もNGとなっています。大量の事業用パソコンを廃棄する際は、処分が大変な作業になりますが、必ずパソコンリサイクル法に基づいた方法で処分してください。

3-3.こん包とデータ消去も忘れずに

家庭用パソコンと同じく、事業用パソコンの回収も自分でこん包する必要があります。事業用パソコンの場合は、ダンボール箱にこん包するのが一般的です。デスクトップパソコン・ディスプレイなど複数台数を同時に排出する場合は、1台ずつこん包し、それぞれに輸送伝票を貼りましょう。そして、運送業者へ回収日を伝え排出をお願いします。
また、データ消去も自分たちで行わなければなりません。事業用パソコンはまとめて処分することが多いので、それぞれデータ消去も大変な作業となります。その場合は、データ消去サービスを受けつけている回収業者へ依頼するのも方法の1つです。

4.パソコンを無料で処分する方法

パソコンの無料回収を行っている業者へ依頼する方法とポイントなどを解説します。

4-1.リユース・リサイクルしているから無料回収が可能

PCリサイクルマークがついていないパソコンや事業用パソコンは、リサイクル料金が必要になります。しかし、無料回収を行っている業者もあるのです。無料回収ができるのは、回収したパソコンをリユース・リサイクルしているからで、不当な方法で処分しているわけではありません。しかし、中には不適切な処分を行っているところもあるので注意が必要です。

4-2.スタッフの対応や見積書など業者選びのポイントを知ろう!

優良業者と悪徳業者を見極めるポイントを以下にピックアップしました。

  • 無料回収できる理由が記載されているか
  • 回収方法が選択できるか
  • リユース・リサイクルの方法を掲載しているか
  • スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
  • 不用品の買取も行っているか
  • 無料見積もり・無料相談を受けつけているか
  • データ消去サービスを行っているか
  • 産業廃棄物収集運搬許可・古物商許可を取得しているか
  • 口コミや評判がいいか

特に気をつけてほしいのは、産業廃棄物収集運搬許可・古物商許可を取得しているかどうかです。ホームページや店舗に許可番号を掲載していない業者は、悪徳業者の可能性が高いので依頼しないようにしてください。

4-3.主な回収方法は3つ

宅配・持ち込み・出張回収の3つが主な回収方法となります。すぐに処分したい方は店舗に持ち込むことでスピーディーな回収が可能です。複数のパソコンをまとめて処分したい方は出張回収、自分のペースで進めたい方は宅配回収を選ぶといいでしょう。

5.パソコンリサイクル法に関してよくある質問

パソコンリサイクル法に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.キーボード・マウスなどは一緒に回収してもらえる?
A.パソコン購入時に同こんされていた付属品は、一緒に排出する際に回収してもらえます。しかし、サーバー・プリンター・ワークステーションなどの周辺機器はリサイクル回収の対象外です。燃えるゴミまたは不燃ゴミ、小型家電として処分することになるでしょう。ゴミ分類は、自治体のホームページ等で確認してください。

Q.部品交換で不要になった部品はリサイクル対象?
A.部品は、パソコンリサイクル法の対象外となります。メーカーの回収が義務づけられているのは、あくまで「パソコン」という製品に対してだけなのです。部品だけの処分に関しては、自治体のホームページまたは窓口で確認したほうがいいでしょう。

Q.自主制作したパソコンの処分方法は?
A.自作パソコンは、パソコンリサイクル法の対象にはなりません。回収業者またはパソコン3R推進協会に回収を依頼してください。パソコン3R推進協会では有償で回収しています。

Q.PCリサイクルマークがない場合、リサイクル料金はいくらぐらい?
A.パソコンの種類によって異なります。デスクトップパソコン本体・ノートパソコン・液晶ディスプレイ・液晶ディスプレイ一体型は各3,000円、CRTディスプレイなどは各4,000円です。詳細は、パソコン3R推進協会に問い合わせて確認してください。

まとめ

パソコンリサイクル法は、貴重な資源を再利用するために制定された法律です。パソコンの回収とリサイクルは各メーカーに義務づけられているので、排出者(消費者)はメーカーへ依頼する義務が生じます。PCリサイクルマークがついている場合は無料ですが、ついていない場合はリサイクル料金がかかるので要注意です。お得に処分したい方は、無料回収業者の利用も選択肢の1つになります。