自作パソコンを廃棄する際、データは消去すべきか? 消去方法と注意点

「自作パソコンを廃棄する際、データ消去は必要なのか」「どうすればデータを消去できるのか」など、自作パソコンの廃棄やデータ消去で悩んでいる方は多いでしょう。

パソコンにはさまざまなデータが記録されているため、自作パソコンだとしても廃棄前にデータを完全消去する必要があります。自分でデータ消去ができない方は、専門業者のサービスを利用するのも選択肢の1つです。

本記事では、自作パソコンを廃棄する前の注意点やデータ消去方法を解説します。

  1. 自作パソコンにおけるデータ消去の重要性
  2. 一般的なデータ消去方法
  3. パソコンダストのデータ消去プロセス
  4. 自作パソコンの廃棄に関してよくある質問

この記事を読むことで、一般的なパソコンのデータ消去方法や、専門業者におけるデータ消去プロセスも分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.自作パソコンにおけるデータ消去の重要性

最初に、自作パソコンにおけるデータ消去の重要性をチェックしましょう。

データ漏えいのリスクを避けるため

なぜ自作パソコンのデータ消去が必要かというと、データ漏えいのリスクを避けることができるからです。パソコンには、名前・住所・写真・動画・アカウント情報などの個人情報から、クレジットカード情報まで重要なデータが記録されています。そのため、自作パソコンでも廃棄前にしっかりとデータを完全消去しなければ、これらの大切な情報が外部へ流出する恐れがあるというわけです。実際に、データを消去していないパソコンから情報が流出し、クレジットカードや画像が悪用されたケースもあります。

ファイルの削除操作や初期化だけでは完全消去できない

自作パソコンを初期化したり、データが入っているファイルを削除したりするだけでは不十分です。パソコン内のデータは、HDD(ハードディスク)やSSDといった記録媒体に記録されています。そのため、ファイルの削除操作や初期化だけでは、データを完全に消去できません。そのことを知らずに自作パソコンを廃棄した結果、データが流出してしまったというトラブルが起きているので注意しましょう。パソコン内のデータは、適切な方法で完全消去する必要があります。

壊れているパソコンも危険

パソコンが壊れているからデータは流出しないと思われがちですが、壊れていて使えないパソコンからもデータを抜き取ることは可能です。前述したように、パソコン内のデータは記憶媒体に残っています。壊れているパソコンからHDDやSSDを抜き取り、違うパソコンに接続すれば簡単にデータが復旧可能です。「壊れている自作パソコンだから大丈夫」という甘い考えが、後々大きなトラブルに発展することがあるので注意しましょう。

パソコンからのデータ流出で発生しやすいリスク

パソコンから個人情報などのデータが流出すると、さまざまなリスクが起きやすくなります。主に、パソコンからのデータ流出で発生しやすいリスクは、以下のとおりです。

  • 振り込め詐欺
  • ストーカー行為
  • SNSアカウントの乗っ取り・なりすまし被害
  • メールアドレス流出による迷惑メールの大量発生
  • クレジットカードの不正利用
  • 勧誘電話や迷惑電話の被害

特に、近年は情報流出から、嫌がらせ・ストーカー被害・振り込め詐欺などの二次被害に発展するケースが増えています。一度流出したデータはもとに戻せないため、廃棄前にパソコンのデータを完全消去することが重要です。

刑事上の責任を問われる可能性も

自作パソコンを仕事用として使用している方も多いでしょう。仕事で自作パソコンを使用している場合は、特にデータをしっかりと管理し、廃棄前には消去する必要があります。取引先の情報や重要書類が記録されているパソコンから流出した場合、刑事上の責任を問われる可能性があるからです。不注意によるデータ流出は、取引先やクライアントに大きな被害をもたらす恐れがあります。取引先やクライアントに迷惑をかけないためにも、自作パソコンを廃棄する前にデータを完全消去しましょう。

2.一般的なデータ消去方法

ここでは、一般的なデータ消去方法を解説します。

データ消去専用ソフトを使用する

自作パソコンが正常に動作する状態であれば、ソフトウェアを使用したデータ消去が可能です。パソコンショップや家電量販店で、データ消去専用ソフトが購入できます。データ消去専用ソフトをパソコンにダウンロードし実行するだけで、簡単にデータが完全消去できるというわけです。一般的なデータ消去法の中でも、比較的簡単な方法といえるでしょう。ただし、壊れているパソコンでは使用できません。また、無料版と有料版がありますが、無料版はデータが完全消去できない可能性があるので注意が必要です。

HDDなどを物理的に破壊する

自作パソコンが壊れている場合は、HDDやSSDなどの記憶媒体を取り出し、カッターやカナヅチなどで物理的に破壊する方法があります。HDDでデータが記録されている円盤部分はプラッタと呼ばれており、アルミニウム製・ガラス製・セラミック製など材質は多種多様です。このプラッタ部分を破壊することで、HDDからデータを読み取れない状態にします。破壊時はガラスなどの破片でケガをする恐れがあるため、手や目を保護してから作業したほうがいいでしょう。
データ消去専用ソフトを使用するよりも費用を最小限に抑えられますが、完全にデータを読み取れない状態にできたか確認できないというデメリットがあります。

専門業者のデータ消去サービスを利用する

自分で自作パソコンのデータが消去できない場合は、専門業者のデータ消去サービスを利用するのがおすすめです。パソコンショップや不用品回収業者の中には、データ消去サービスを行っているところがあります。個人ではなかなか利用できない専用機器を使ってデータを完全消去してくれるため、安心してパソコンが廃棄できるでしょう。不用品回収業者であれば、データ消去サービスと同時にそのままパソコンを処分してもらうことができます。なお、データ消去サービスを利用する際は、どのような方法でデータを消去するのか確認しましょう。

消去前のデータ移行を忘れずに

一度完全消去したデータは、もとに戻すことができません。そのため、自作パソコンのデータを完全消去する前に、ほかの場所へ移行しておく必要があります。パソコンデータの移行方法は、OSやバージョンによって異なるので注意が必要です。主なデータの移行方法としては、OSの機能と外付けストレージを使用する2つの方法があります。

OSの機能を使用する

WindowsやMacなど、それぞれのOSに備わっている機能を使用してデータを移行する方法です。たとえば、Windows11の場合、OSの機能にデータ移行ツールがあります。標準機能として搭載されているため、わざわざダウンロードする必要がありません。外部ツールを使用することなく、簡単にデータが移行できます。

外付けストレージを使用する

HDDやSSDなどの外付けストレージを使用して、データを移行する方法もあります。主な手順は、下記を参考にしてください。

  1. 外付けストレージを廃棄予定の自作パソコンに接続する
  2. 「エクスプローラー」から「PC」を選択する
  3. 「デバイスとドライブ」欄にある、「任意の外付けストレージ」を選択する
  4. 外付けストレージに移行したいデータをコピーする
  5. 新しいパソコンに外付けストレージを接続し、データを任意の場所に保存する

ただし、外付けストレージの使用では、アプリケーションの移行ができません。アプリケーションを移行する場合は、それぞれのIDやパスワードをメモ帳などにメモした上で、新しいパソコンで再インストールするといいでしょう。

3.パソコンダストのデータ消去プロセス

ここでは、パソコンダストのデータ消去プロセスを紹介します。

3つの方法でパソコン内のデータを完全消去

不用品やパソコンの無料回収を行っているパソコンダストでは、3つの方法でデータを完全消去しています。

論理的ハードディスク消去機

大手パソコンメーカーなどへの納入で実績のある「株式会社ワイ・イー・シー」のハードディスクデータ消去ツールを使用する方法です。消去方式は、アメリカの国家安全保障局や国防総省準拠法式に対応しているため、個人情報を含む大切なデータが完全消去できます。

物理的ハードディスク破壊機

世界シェアNo.1のハードディスク破壊機メーカー・日東造機株式会社の破壊機を使用する方法です。約3トンの油圧によって4本のピンが加圧処理されます。10秒程度でHDDに穴を空け、HDDのデータを読み取り不可能にするのが特徴です。

磁気データ消去装置

ノートパソコンのデータを完全消去する際に使用します。リ・バース株式会社製の機器にノートパソコンをそのままセットするだけで、簡単にデータの完全消去が可能です。また、磁気データ消去装置は、HDDやCMT・DLT・LTO・DATなど各種テープの大量一括消去もできます。

データ消去オプションサービス

パソコンダストでは、データ消去オプションサービスとして、HDDのデータ消去証明書を発行希望の方に郵送しています。データ消去証明書とは、データ消去した作業日・消去方法・HDDの型番・シリアルナンバーが記載されている証明書です。データ消去証明書の発行によって、確実にパソコンのデータを消去したという証明ができます。なお、消去証明書発行手数料は、HDD1台につき3,000円(税抜)かかるので注意が必要です。HDD物理破壊写真付きのデータ消去証明書だと、HDD1台につき4,000円(税抜)かかります。

4.自作パソコンの廃棄に関してよくある質問

自作パソコンの廃棄に関する質問を5つピックアップしました。

Q.初期化でデータが完全消去できない理由は?
A.そもそも、初期化は工場出荷前の状態にすることです。HDDやSSDといった記憶媒体に直接影響を与えることはできないので、表面上には表れずともパソコンの中にはデータが残っている状態となります。データ復元ソフトを使用すれば、データが復旧する可能性があるので、初期化だけで自作パソコンを廃棄しないように気をつけましょう。

Q.自作パソコンの処分方法は?
A.パソコンはPCリサイクル法に基づき、メーカーによるリサイクル回収が義務付けられています。ただし、自作パソコンは回収してくれるメーカーが存在していません。自分で分解しパーツごとに廃棄するか、一般社団法人パソコン3R推進協会へ回収してもらうことになります。また、不用品回収業者に依頼するのも方法の1つです。

Q.電磁消去は自分でできるのか?
A.電磁消去を用いて、パソコンのデータを完全消去する方法もありますが、専用装置が不可欠です。一般的な家庭や企業では扱うことができないため、自分でデータを消去する場合は電磁消去以外の方法を選択したほうがいいでしょう。または、電磁消去を行っている専門業者に、データ消去を依頼するのも方法の1つです。

Q.データ消去サービスを利用する際の注意点は?
A.データ消去サービスに費用は発生するのか、どのような方法で消去を行うのか、申し込みは必要なのか、事前にチェックしたほうがいいでしょう。データ消去サービスを行っている業者の中には、不適切な方法でデータ消去を行い、しっかりと消去できていない状態で廃棄する悪徳業者が存在しています。安心して廃棄するためにも、データ消去サービスの詳細を確認することが重要です。

Q.自作パソコンをお得に廃棄する方法は?
A.できるだけ処分費用をかけたくない方は、無料回収業者へ依頼するのがおすすめです。「無料回収業者に依頼するとトラブルになるのでは?」と不安を感じると思いますが、無料回収の理由が明確になっている業者なら安心して依頼できます。自作パソコンや壊れているパソコンでも無料回収をしている業者はあるので、ぜひチェックしてください。

まとめ

いかがでしたか? 自作パソコンを廃棄する前に、パソコン内のデータを完全消去する必要があります。主なデータの消去方法は、消去専用ソフトを使用する方法と物理的に破壊する方法の2つです。自分でデータ消去ができない場合は、専門業者のデータ消去サービスを利用するといいでしょう。なお、パソコンダストでは、専用機器を使用してデータを完全消去しています。自作パソコンの無料回収も受け付けているので、ぜひ一度お問い合わせください。