外付けHDDは燃えないゴミ? 廃棄する際の注意点や無料で処分する方法も
外付けHDDは燃えないゴミで処分できるのか、そのまま処分しても大丈夫かなど、外付けHDDの処分方法で悩んでいる方は多いでしょう。HDDはデータを記録する媒体ですので、外付けタイプも内蔵タイプもデータを完全消去してから処分しなければなりません。きちんと正しい方法で処分することが大切です。
本記事では、外付けHDDを処分する方法やポイントなどを解説します。
この記事を読むことで、外付けHDDを廃棄する際の注意点や無料で処分するコツも分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。
1.外付けHDDは燃えないゴミか?
まずは、外付けHDDは何ゴミになるのか、基本情報をチェックしておきましょう。
1-1.燃えないゴミに分類される
外付けHDDは、ほとんどの自治体で燃えないゴミ(金属ゴミ)に分類されています。データを保存する際に必要不可欠なHDDは、アルミニウム合金や硬質ガラスが基板材質です。その上に磁性体をコーティングしているため、素材はとても固いでしょう。燃える素材でできているわけではないので、燃えるゴミになる自治体が多いのです。ただし、自治体によってはゴミの分類がことある可能性もあるため、事前に確認しておきましょう。
1-2.小型家電リサイクル法の対象になることも
自治体によっては、HDDが小型家電リサイクル法の対象品目になるケースがあります。小型家電リサイクル法とは、電子辞書やスマートフォン・ノートパソコンなどに内蔵されている素材を再利用することが目的の法律です。有用な資源が含まれているので、それらを活用するためにリサイクルが推奨されています。小型家電リサイクル法の対象になっているものは、公共施設や家電量販店で設置されている小型家電回収ボックスに投かんするだけで処分可能です。
2.外付けHDDを廃棄する際の注意点
ここでは、外付けHDDを廃棄する際の注意点をいくつか紹介します。
2-1.データを完全消去する
外付けHDDはデータを記録する補助記憶装置ですので、データ消去の作業を行わない限り、データが内部に残ったままになってしまいます。そのため、そのまま外付けHDDを処分してしまうと、記録されているデータが外部へ流出し悪用される恐れがあるでしょう。パソコンのデータを保存する際に外付けHDDを使った場合、個人情報やクレジットカード情報などが記録されています。一度、流出してしまえば取り返しのつかないことになるため、外付けHDDのデータを完全消去してから処分してください。
2-2.初期化だけでは消去できない
外付けHDDとパソコンを併せて処分する際、パソコン本体を初期化すればデータが消去できると思いがちですがそれは間違いです。初期化はパソコンを工場出荷状態に戻すだけなので、外付けHDDのデータが残ったままになっています。安心して処分するためには、外付けHDDのデータを完全消去してから初期化して処分したほうがいいでしょう。初期化だけで処分しないようにしてください。
2-3.パソコンと同じ方法で処分できない
外付けHDDとパソコンを一緒に処分する際は、それぞれ処分方法が異なるので注意してください。基本的に、パソコンはPCリサイクル法によって処分方法が決まっています。メーカーによる回収とリサイクルが義務付けられているため、自治体回収で処分はできません。一方、外付けHDDはPCリサイクル法の対象品目ではないので、燃えないゴミとして処分できます。外付けHDDといった周辺機器は、パソコンと一緒に回収してもらえないことを覚えておきましょう。
2-4.処分前に外付けHDDの状態をチェックする
処分する前に、データを消去するのはもちろんのこと、外付けHDDの状態をチェックしておきましょう。まだ正常に使うことができる状態なら、買取に出すこともできるからです。買い取ってもらうことができれば、処分費用をかけずに手放せるでしょう。不要になったHDDが破損していなければ、自分で再利用することもできます。
3.外付けHDDのデータを消去する方法
ここでは、外付けHDDのデータを消去する方法について解説します。
3-1.専用ソフトを使った論理的消去法
一般的なデータの消去方法といえば、専用ソフトを使った論理的消去法があります。消去専用のソフトを使うだけの簡単な方法です。大まかな手順は以下のとおりとなります。
- ノートパソコンはACアダプターを電源につなげる
- 専用ソフトをCDドライブにセットする
- 専用ソフトからパソコンを起動する
- 手順に従って消去開始
なお、専用ソフトはパソコン販売店や家電量販店で購入できます。インターネット上で無料の専用ソフトがダウンロードできますが、ウイルスに感染したり、きちんと消去できていなかったりする可能性もあるので注意が必要です。
3-2.カッターなどで傷をつける物理的破壊
専用ソフトを使う方法以外には、カッターなどで外付けHDDに傷をつける物理的破壊があります。従来の消去法としては、物理的破壊が一般的な方法でした。HDDは金属でできた硬いものですが、データが記録されている内部を少し破損させただけでデータの読み取りが難しくなります。なお、物理的破壊の大まかな流れは以下のとおりです。
- 外付けHDDの裏側にある銀色のシールを剝がす
- 見えてきた穴に、ドライバーといった硬いものを差し込む
- ドライバーを左右に動かすと記録面(プラッター)に傷がつき曲がる
また、アルミやプラスチックのケースでフタがされている場合は、下記の方法を試してください。
- 外装のすき間にマイナスドライバーやスクレイパーを差し込む
- フタをこじ開け、いくつかのフラッシュメモリーがくっついた基盤を取る
- 基盤をドライバーやカッターなどで破損させて完了
物理的破壊法は、プラスチックや金属の破片が飛び散る可能性があるので十分に注意してください。作業をする前に、手袋やゴーグルなどで保護するといいでしょう。さらに、傷をつけたとしてもきちんとデータが消去されていないケースもあります。自分でするのが不安な方は、別の方法での消去がおすすめです。
3-3.業者のデータ消去サービスを利用する
「データが消去できたのか不安」という方は、業者のデータ消去サービスを利用するといいでしょう。不用品回収などを行っている業者の中には、データ消去サービスを受け付けているところがあります。自分の代わりに業者が専用機器を使ってデータを消去してくれるため、安心して外付けHDDが処分できるでしょう。
たとえば、パソコン・不用品の無料回収を行っているパソコンダストでは、論理的消去と物理的破壊を組み合わせることで情報漏えいを確実に防いでいます。米国家安全保障局推奨・米国防総省準拠方式に対応している論理的消去、世界シェアNo.1のHDD破壊機メーカーを使用した物理的破壊ですので、確実なデータ消去が可能です。
4.外付けHDDを無料で処分するには?
ここでは、外付けHDDを無料で処分する方法を解説します。
4-1.自治体のゴミとして処分する
前述したように、外付けHDDは自治体のゴミとして処分できるので、燃えないゴミまたは小型家電として廃棄しましょう。燃えないゴミの場合、費用は指定袋だけで済むため、ほぼ無料で処分できます。小型家電の対象になっている場合は、小型家電回収ボックスに投かんするだけでOKです。どちらとも無料で処分できますが、データは自分で消去しなければならないので注意してください。また、ゴミの分類や処分方法は自治体によって異なるため、事前にチェックしておきましょう。
4-2.買取に出す
まだ正常に使うことができる状態なら、外付けHDDを買取に出すのも方法の1つです。容量によって買取額は異なりますが、約1,200~15,000円で買い取ってもらえるでしょう。ただし、古すぎる・動作不良があるHDDは買取不可になるので注意が必要です。外付けHDDの状態をしっかりと確認してから査定を依頼しましょう。また、売却する際も処分時と同じで、データを完全消去する必要があります。
4-3.無料回収業者を利用する
無料回収業者を利用するのも方法の1つです。不用品やパソコンなどを無料回収している業者があります。「無料回収業者に依頼するとトラブルになるのでは?」と不安になると思いますが、無料回収の理由がホームページ等にしっかりと記載している業者なら安心して依頼できるでしょう。たとえば、パソコンダストの場合、回収したものを自社でメンテナンスし再販しています。再販できないものは部品に分解し販売しているので、回収コストがかかりません。このように、無料回収の理由が記載されているかをチェックしてから依頼するようにしましょう。
5.外付けHDDの処分に関してよくある質問
外付けHDDの処分に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.データを消去せずに処分するとどうなるのか?
A.データが流出し悪用されるだけでなく、会社で使用した外付けHDDの場合は信頼を失うことになってしまいます。会社で使用した外付けHDDには、顧客情報や機密データが含まれているため、それらを流出させてしまうと業務に支障をきたすことになるでしょう。仕事において信頼関係はとても大切ですので、顧客からの信頼を一気に失ってしまいます。一度、データを流出させてしまうと信頼を取り戻すのはなかなか難しいでしょう。
Q.外付けHDDが壊れている場合、データ消去はどうすべきか?
A.壊れている場合は、専用ソフトを使用した論理的消去法が使えないので物理的破壊でデータを消去することになります。外付けHDDが壊れているからといって、中身のデータも消えているというわけではありません。復元ソフトを使ってデータが復旧される可能性もあるので注意が必要です。なお、物理的破壊としては、カッターなどで傷をつけるほか、水に浸したりドリルで貫通させたりする方法もあります。
Q.高く売るポイントは?
A.外付けHDDを高く売りたいときは、査定前になるべくキレイにするといいでしょう。外付けHDDの場合、汚れや傷が付きやすい傾向があります。新品状態に近いものほど売れるので、ホコリや汚れが付いていたら乾いた布で拭き取ってください。濡れた布を使うと故障する可能性があるため、乾いた布を使うのがポイントです。また、外箱・ケーブル・取扱説明書といった付属品と一緒に売却することも高く売るポイントとなります。
Q.データ消去サービスを依頼する際の注意点は?
A.業者にデータ消去を依頼する際は、消去証明書を発行してもらいましょう。手数料はかかりますが、トラブルを防ぐための大事な証明書です。消去証明書には、データを消去した作業日・消去方法・HDDの型番・シリアルナンバーが記載されています。確実にデータを消去しましたという証(あか)しになるため、データ消去サービスを利用した際は発行してもらいましょう。中には、証明書の発行をしていない業者が存在しているので要注意です。
Q.依頼しないほうがいい無料回収業者の特徴は?
A.スタッフの対応が悪かったり、サービス内容についてホームページ等に記載されていなかったりする無料回収業者は依頼しないほうがいいでしょう。また、街中をトラックで回りながら不用品の回収を行っている業者があります。この場合、実店舗を持っていない回収業者が多いため、何かとトラブルになりやすいので要注意です。中には、無料と偽り、トラックに不用品を積み込んだ後で追加費用を請求する悪質な業者が存在しています。
まとめ
外付けHDDを処分する際は、データを完全消去する必要があります。HDD自体がデータを記録する媒体ですので、そのまま処分してしまうとデータが流出し悪用される恐れがあるからです。データの消去方法としては、専用ソフトを使う論理的消去法とカッターなどで傷をつける物理的破壊があります。自分でデータを消去するのが不安な方は、データ消去サービスを受け付けている回収業者に依頼するといいでしょう。外付けHDDや関連機械も併せて処分できます。